2021年夏場におけるホール事情概観

2021年7月22日

気付けば7月も中盤戦真っ只中で、パチンココーナー運営においては主要な新機種を設置しているか否か、それに付随することとして先々出て来るであろう話題機への足懸かりとしてのいわゆる”機歴”付き合いを継続できているか否かという観点での法人・店舗間の資金格差が、またスロットコーナー運営においては日常的に新規則機に触ってくれる常連客を得ているか否かという観点でのこれまでの”営業努力”の差が、特に日中の稼動水準に如実に表れて来ているように見える。

パチンコに関しては、これまで無双や漆黒或いは旧海などを第一チョイスにしていたような客層を中心に、これらの機種が日常的な運用レベルの上げ下げの対象ではなくなってしまい新規則機の運用の方にPR度合いや営業努力のパワー配分が移行したのを見るや一時は今後の稼動意欲を減退させたかも知れないが、メーカー側の努力の賜物として面白味とリターン期待値とを兼備した新機種がどんどんリリースされる流れを見て「店舗選びさえ適正なら新規則機時代でも十分に立ち回れる」ということを既に認知したものと推察する。そしてそのことが、真逆の流れ、つまり従来のようにスロットで粗利が取れなくなった分をパチンコの方で露骨に取りに行っている店舗の運用レベルの低さを際立たせることとなり、そういった店舗からの離反は今後より一層加速するものと見通す。

またホール関係者諸氏におかれては、昨年の韋駄天のHITを初期段階で見抜けなかった法人・店舗が新機種選定において神経質になり、ユーザー目線では「これは買わなくても構わないか、買っても少台数が妥当だろう」と思えるような”妙な機種”を多めの台数規模で導入したりといった”珍プレー”を披露している場面もあると聞き及んでいるが、例えば払出性能に関しては連チャン速度が早ければ良いというものではなかったり、長くシリーズ機化されたメジャータイトルの新作なら取り敢えず買っておくことが必ずしも得策とは言えない、ということを改めて念頭に置き機械代負担が大きくならないように留意されたい。

私自身は新機種中心に入替を進めることができるような資金力など有していない法人所属なので新機種戦線についてはそもそもコメントしづらい立場なのだが、管理店舗の界隈ならびに近隣の商圏をざっと見わたすとGW明けから今お盆商戦に雪崩込んで行く過程で”当たり機種を掴みたい”或いは”一発当てたい”というような買い方をして失敗してしまっている店舗もそれなりの軒数見掛けるため、常連客に掛ける営業利益上の負担を大きくしないためにも新規則機化の終盤戦の入れ替え施策を是非堅実にやっていただきたいと願うばかりである。

2021年に入ってからのパチンコ新規則機の販売は40万5千台水準(6月末時点)であり、その内の35%は三洋が占める。つまり海島は同タイトル機(海フレンズ系含む)を多様に取り揃えての維持が十分に可能な状況で夏場を迎えた。そして韋駄天は依然としてファン支持を受け店側の日常的なケアの対象となっている。では他の主要島はどうかと言えば、買えている店舗であれば牙狼が強い訳だが1台も入っていない店舗も多く今後増販の流れでこれを入手するべく躍起になる流れが見えるが、私見では既に同機を保有している店舗の増台が進むのみで設置店舗数の裾野はそこまで拡がらない。その理由はサンセイの販売施策に付き合い切れるだけの金がないからだ。

では、そのような店舗が年末年始に向けてどのような島作りをして行くのかというと、消極策としては無双や漆黒などの島を多機種構成化する一手が考え得るが、サミーとニューギンがこの流れにならぬように、自社機シェアを維持できるように対策を練っていない筈が無く”買い気をそそる”ような後続機を打ち出して来るのは確実視されるため、ここで購買責任者の新機種選定眼の程が問われることになるだろう。



他方スロットに関しては、まずは冒頭で述べた通りエリア内において新規則機ファン層の獲得レースに先行できているか否か、次にジャグラーに代表される今後力を入れて運用すべきメイン機や時折登場するようになって来た稼動貢献が見込める機種の購入にあたってそれが可能な条件を満たしているか、また資金投入するだけの余裕があったり勝負所での果断ができるか否かという二点によって、現状の営業数字の水準や今後のスロットコーナー運営上の遣り繰りや見通しの面で相当な違いが生じて来るだろうか。

前者に関しては、粗利を削ってでも稼動を取りに行き完全新規則機時代でも真っ当なコーナー運営をする気があるのだという営業姿勢が設定配分に表れていなければこの時期のユーザーは絶対に高評価することはないため、まさに長期的な視点での辛抱強い機種運用が求められることから現況が思わしくない店舗が一朝一夕に改善を図ることは無理がある。後者に関しては、第一に”スマッシュヒット”と呼べる機種を出せるようになり目下の開発状況から察するに今後も強い新型式ネタを仕込んでいるサミーの復権の兆しを感知しているかどうか、第二にこの経過措置期間の最重要課題となったジャグラー購入戦線で勝利できるかどうか、この2つがチェックポイントになるだろう。

サミー機は直近ではSコードギアスの導入が目前に迫っているが、これは旧作の長期稼動実績と頭文字Dの流れから来る性能面での優位性とが相まって例えばSバイオハザードなどと同様にスロット専門店にとっては必須となる機種に成長するものと見込まれ、後追いで中古購入しようとしても60万円水準を付け手を出しにくい状況となりその結果、増販待ちの流れになることが見通される。そしてノーマル・RTタイプ機の各社のリリース状況と店側の購入動向を見つつ新作のディスクアップをいよいよ投入することになるだろうが、これは”ノーマルライク”という扱いによって、不足感があるノーマル・RTタイプ機の補填となり同タイプ機島・コーナーの一角を占めることとなり同社機は存在感を増すだろうことが予見される。

次にジャグラー絡みのことについてだが、都内を例にとると直近では11月12日が期限日となるゴーゴージャグラー2を新規則機に置き換えるための動きが顕在化して来ている。具体的にはこれを下取り回収に充てることで緑パネルのSアイムジャグラーを導入し、次いで秋口にかけてSファンキージャグラー2でも同様の措置をとる流れになるが、旧規則ジャグラーと新規則ジャグラーとを”1対1”で引き換えるには製造台数が足りないため、北電子との”握り”の強さがこの施策の成否に直結することになる。同社は今、顧客間で相当な待遇差を設けざるを得ない状況になっており、間に挟まれる格好の営業マンは更に厳しい立場におかれている。

では、このような状況がいつになれば改善されるのかについてだが、私見では来年度上半期中には一応の落ち着きは見せるものと考えている。その理由としては、まずは哀しいかなホール軒数の減少による受け入れ側のキャパシティ縮小と、次にSゴーゴージャグラー3とSマイジャグラーVの新規投入と順次増販による不足分の穴埋めが図られるという二点が挙げられる。

しかし、それはまだ丸1年先のことであり、本来であれば下取り回収に充てるべき旧規則ジャグラーを、中古市場で高値を付けたコロナ第一波~第三波における時期に当座の資金繰り目的で売却してしまった店舗や、スロットコーナーの主軸として扱うべく同タイトル機をより多く必要としている店舗が充足感を得るには、非常に長い1年になるだろうことが予想される。



以上、梅雨明けからお盆に向かうこの時期におけるホール側の事情について、ごく掻い摘んで述べて来た。

ホールもメーカーも販社もそれ以外のぱちんこ業界職域も、そしてユーザー側も、パチンコスロットに関わる皆が厳しい環境・状況下にあるが、いつまでも悪いことばかり続いた試しなど無いのも事実であるため是非我慢強く臨み、業界にまつわる諸事情が次第に快方へと向かうことを祈りつつ本稿を了としたい。

楽太郎

Posted by 楽太郎