放埒三昧してみれば、まるで彼の時をなぞるが如し

私の周りでもどんどんとワクチン接種が進み、仕方がないこととは言え一時的に「体調が優れない」という話を聞くようにもなって来た。政府の担当相である河野太郎氏は各所でコメントを発しており、それは概して「接種後に腕の痛みを感じる割合は9割超」「2回目の接種においては約3人に1人の割合で37.5度の発熱を生じている」というような内容であった。

前者に関しては上腕部への筋肉注射であることから已む無しとする声が多く、後者に関しては体内に”新種の異物”が侵入して来たことへの恐怖を感じるようだが、その副反応こそがワクチンが有効化する証でもあるため、ある程度の症状は甘受しなければならないという認識で夏場にかけて更にペースを上げて接種が進むであろうことが予見される。

しかし、変異株の蔓延に際してイギリスがとったようにワクチン接種は”スピード”と”人数”が重要と位置付けてより多くの国民が1回目の接種を済ませてしまうというような施策ではなく、日本では対象者を絞ってまずは医療従事者・高齢者に2回にわたり接種することで免疫の”精度”を重視した訳だが、この施策では未接種の国民がより多く残ってしまいその中で変異株が蔓延するという事態に陥ってしまったのがGW前後の感染拡大状況であったと見做し得る。

つまり、イギリスと日本とを比較した際に、日本の方が社会全体で見た時には市中感染を招くリスクがより高い状況だったとも言える訳だが、ダラダラと延長され続ける緊急事態宣言・まん延防止等重点措置にすっかりと"慣れ"或いは"飽きて"しまった国民が予防までもおざなりになってしまったりする流れで夏の到来が目前に迫っている。

思い返せば昨年の7月1日から8月7日にかけて新規感染者数は上昇の一途を辿ったが、これは夏がもたらす”開放感”と無関係ではなかっただろう。

未接種人口がまだまだ多い中で夏場入りするという危険性については、6月30日に厚生労働省でもたれた専門家会合の場における東京都内の今後の感染状況のシミュレーションでは、目下のまん延防止措置の効果が不十分な場合は変異株の影響を少なく見積もったとしても7月中旬には一日あたりの新規感染者数が1,000人超となる可能性があるとしており、更にここに東京オリンピック・パラリンピックによる人出増という要素を加味した場合は7月下旬には一日あたり2,000人超となる可能性まで示唆されている。

こうした環境下・状況下でのホール営業は、昨年の同時期よりも予防意識が大きく緩んだ客層を相手にしなければならない可能性が高いということをまずは念頭に置くべきであり、また客先に立つ職業として自衛のために接種を受けることが望ましいということを改めて社内啓発し、その際の不安感や不明点などがあれば会社・店舗として事前に緩和・解消を試みる必要性もあるだろう。

今後は、ワクチン接種が進んだとしても変異株の勢いが勝り昨年夏と年末のようにまた感染拡大が起こるのか、それとも集団免疫による抑制が働くのかが注視される。

そしてこれはホールへのユーザーの来店意欲にも関わって来ることであるため、私としては今の時期から強い緊張感と共に危惧しているところである。

楽太郎

Posted by 楽太郎