インド変異株、五輪・都議選・小池、半導体【6月下旬の雑感】

ここ東京での直近の話題は、変異株による再流行の兆しと政治の暴走ともとれるようなオリンピック・パラリンピック開催にまつわる”なあなあ”な事の運び具合い、また小池氏の体調不良報道もあって一気に色めき立った都議選を睨んだ動き、そしてぱちんこ業界においても多くのメーカーにとって製造・販売計画に狂いを生じさせる原因ともなっている世界的な半導体不足の影響が自動車製造業など各種産業にマイナス影響を与え、それが文字通り製造・供給回復のブレーキとなっていることや、それが結果的には消費者への価格転嫁を招くのではという懸念であった。

まず変異株について。新型コロナ禍における国際的な視線は昨年夏場から年始にかけてのようにイギリスではなく、最早完全にインドへと移っている。GW期間中に目にした報道によれば、世界保健機構(WHO)は同国を感染拡大の爆心地のように認識しており、目下全世界のコロナによる死者の1/4を占めている現況が今後更に悪化する可能性について言及していた。

このことには、地方における衛生意識の低さや設備状況の悪さ、治療に必要な酸素供給の停滞などと相まって、土地柄ともいえる半ば不可避な”宗教行事”が悪い方に作用してしまっていることが原因と目されているようだ。この宗教行事とは、イスラム圏において敬虔な信徒にとって”メッカ巡礼”が生涯の望みであるように、ヒンドゥー圏の信徒が一生に一度は参加したい催しとして位置付けている「水瓶の祭典(クンブメラ)」を指している。

遠い神話の時代、神々が魔物たちと不老不死の聖水が入った瓶を巡っての争奪戦を繰り広げた折、インドの4カ所にその中身が飛び散った。その地とはアラハバード・ハリドワール・ナシク・ウージャインであり、クンブメラという祭事はこの神話を礎として4都市を3年おきにまわりながら開催されている。今年は北部に位置するハリドワールが開催地であり、罪の免除と解脱を願う数千万人とも1億人とも見積もられる信徒たちが6週間にわたりガンジスの川辺に大挙して押し寄せ、その後は元居た土地へとすぐに帰還するため感染拡大の”元凶”となってしまったと分析されている。

不老不死の聖水にまつわる催しが、信徒のみならず多くの国民の命を危険に晒してしまったというのはあまりにも皮肉で悲劇的だが、この局面における真の聖水とはすなわちワクチンであるということは疑いようもない状況といえるだろう。

次に、オリンピック・パラリンピックと都議選について。政府主導による開催強硬の流れに対して国民の多くが諦念に似た感情を抱いていることや、観客動員基準やアルコール類提供の有無などに関して民間に実質的に強いて来たこととはダブルスタンダードのような小狡さが垣間見える状況になっていることが、開催前から既に漂う白けた雰囲気の原因と言える。

開催都市である東京だが、小池都知事は5月28日の記者会見の場で「再延期は基本的には難しいと思う」と、また6月21日にもたれた政府・東京都・大会組織委員会・国際オリンピック委員会(IOC)・国際パラリンピック委員会(IPC)の5者会合では「状況に応じては無観客も含めて対応を検討する必要がある」と述べたのを最後に、是非論に関する殆どのことをIOCと政府に丸投げしたようにも見える。

小池氏の中で、自分自身が主体的に関わることとしてはオリンピック・パラリンピックよりも7月の都議選の方が大きな割合を占めているようにも窺えるが、これは現時点で自身が顧問を務める都民ファーストの会が第一党の座を維持するのは厳しい状況であることと無関係ではないように思う。事実、毎日新聞が26日に実施したインターネット調査(対象:NTTドコモの携帯ユーザーを中心とする都内在住者から無作為に抽出した約2万1千名、回答方式:メール)では、127の定数に対して自民党と公明党とで過半数を得る可能性が高まっているような結果になっていた。

都議選の結果は、この先国政に復帰した際の影響力にも関わって来ると考えられるため、現時点の議席数である45から増やすことは困難にしても如何にしてダウン幅を減らすか、そのことに腐心しているものと推察する。ゆえに今は”減点”を招くような発言や行動は慎むが吉であり、それが直近で諸々のことに対して積極的な発言をしていないことや”静養”宣言に至った理由であるように思われる。



最後に、半導体不足について。全世界でコロナ禍に長期化の気配が色濃くなった昨年夏場ごろから、製造に関わる産業―――具体的にはスマートフォン、自動車、パソコンその他電子機器を内蔵した機器類の全般において半導体チップの供給不足の懸念が生じていた。世界的なシェアを有する半導体大手である台湾積体電路製造(通称「TSMC」)やインテル、サムスンなどは従来の受託生産分を維持することが不可能な状況に陥り、このことはおそらく巡り巡って我らがぱちんこ業界の遊技機製造現場をも直撃している。

業界の盟主と目されている三洋・SANKYOなどは、直接下取りなりリサイクル市場を介しての部品の引き上げなりを駆使して製造・販売規模を保っているようだが、全てのメーカーが必要部材不足という課題に即時対応できている訳ではなく、また早期に供給量が改善する見込みもないため、結論としてはホール営業の主役となるべく期待されているタイトル機に関してはこの先もまだまだ不足感が支配し続けることとなるだろう。

想定される流れとして例えば、初販時に中古市場で高値を付けたいわゆるメイン機に関しては新機種価格よりも高い水準で高止まりし、二次増販や三次増販の段階でも割り当てがあるのは初販時に購入していたり継続付き合いがある全国大手・地方大手が主体で、いわゆる”機歴”を積めなかったり新機種価格よりも高値で手を付けることに及び腰であることが多い中小法人は「ユーザーが打ちたいと思っている機種が無い」「導入までに数カ月を要する」こととなり、遊技機市場における”当たり機種”を保有している・していないという観点で今まで以上に営業力の格差が拡大する可能性が高まっていくと見通す。



以上、直近における身の回りのことを雑談として述べて来たが、改めて「感染対策を徹底する」「予測して備える」ことで本業と私生活の両面において大きなマイナスを被らないようにしたい。

管理店舗の営業数字はパチンコ・スロットともに大きな回復を見せ、特に4円パチンコと20円スロットの売上金額と稼動に関しては、新装開店日・金曜・土曜・日曜・祝日などの要所で”力強さ”が戻って来たように思う。それだけに、この良い流れを止めたくないというのが本音であると述べて本稿を締めたい。

楽太郎

Posted by 楽太郎