六月十四日、全国各地のパチンコ店より龍昇らんずるなり

2021年6月19日

6月中旬は”大移動”の一週間を過ごしている。とは言っても所詮は都内なので地方の方々からしてみれば移動距離も時間も大したことはないのだが、スケジュールの噛み合わせが悪いせいで効率良く動けず、例えば新宿で面会・神田で面会・池袋で面会・上野にメーカー訪問といった具合いに方角的には行ったり来たりの日もある中で、思いのほか強い雨に降られて鞄の隙間から書類の端っこを濡らしてしまったり、大通りでタクシーを拾う際にひと昔前に”町金融”の者や”インテリヤクザ”が着ていたような目の粗いストライプ柄のスーツを身にまとった会社員から上流に割り込まれてしまったり、喫茶店で紅茶シフォンケーキを頼んだのに紅茶とショートケーキが出て来たりと、ちょっとしたイレギュラーの連続であった。

喫茶店での一幕については、ノンアルコールビールも一緒に頼んでいるので、「こいつはどんだけドリンク飲むのか…」と相武紗季似の店員さんから好奇の目で見られたかも知れない。このことを深夜の帰宅後に、デイトレード中の嫁さんに話したところ「そう言えば、クランベリーとかブルーベリーとかラズベリーとかが豪華に乗っかったタルトを出しているイイ感じのお店があるから、今度買って来るぜ」と私の話の流れを完全に無視した返事が来たので、この件に関しては強制的にこれにてお仕舞いになった。彼女はだいぶ眠たそうにしていたが、最近はクロスドル通貨の値動きが大きい中で家計の足しになるような差益を切り取ることができて、とても満足そうにしていた。

そんな毎日でも、私は根っからのぱちんこ業界人なので、職場・生活圏内でも出先でも、2時間くらいの空き時間があれば遊技に興じた。戦績は散々で、”戦犯”機種はP大工の源さん超韋駄天とCR北斗無双とPシンフォギアであった。

韋駄天においては初当たりは軽いが超源ラッシュ突入率が25%と振るわず、無双に関しては1/2の振り分けに負け続け実に8度連続で確率が変動してくれず、シンフォギアはいつも通り役立たずの赤い娘っ子と防人が全く仕事をしなかったのが、大きな凹みの原因であった。

スロットの方はノーマルタイプ機のノーヒットやS逆襲の赤い彗星でのAT非突入などで負債を重ね、月の前半が終わった時点で前月頑張って勝った分が全て回収されてしまった格好だがそんな状況でも、後半戦でリカバリーを期すべく懲りずに両目をギラつかせている。

そんなこんなで、そろそろ本題に入り、今週中に面会相手と話題になったことを敢えて2つ選んで紹介してみようかと思う。

まずは、10年ほど前からだろうか、ホール側にとって今後悩ましい問題になるだろうと認識されていた”物件と設備機器の老朽化”がより一層深刻化していることについて。ホールがテナントとして入って店を構えているビル物件自体や、島組み、玉還元機、メダル補給・回収設備、その他にも賞品カウンターの自動払い出し機、空調機器、音響機器、トイレの配管や看板・照明類も含めた店舗設備全般について、さすがにそろそろ建て替え・新調せざるを得ない状態になっているという店舗が増加しているようであった。

この手の事情については、営業支援・業況分析に関わる職域の方々や業界団体の関係者であればこのような詰まらないブログの雑感記事で閲覧せずとも十分過ぎる程に理解していることであり、当事者であるホール関係者の方々にしてみれば、規則改正に係る旧規則機の撤去とコロナ禍にあっての事業収益の減退ならびに店舗運営パフォーマンスの低下という”異常事態”にあってなるべく後回しにしたいことであるが、例えばエアコン・トイレの故障やユニットサンドの紙幣識別機能の劣化といった具合いに”ユーザーの遊技環境に直接的に関わって来るもの”なら否が応でも(シンフォギアっぽく言えば不承不承にも)対応せざるを得ない状況であるため、非常に頭が痛い問題になってしまっていることと思う。

場合によっては、当の設備機器メーカーが既に廃業してしまっていたり機器のバージョンが変わっているため部品在庫がもう無いという理由で、部品交換や修理ではなく全替えになったりと、想定以上の負担が発生してしまうケースも多く発生していると聞き及んでいる。ビルの建て替え後にも、まとまった額の設備投資をしてでも、今後もホール事業を継続したいと思えるような収益ではなくなってしまっている場合はオーナーが及び腰であり、事業・営業部長クラスや店長の立場では店舗周りは新しくしたいしより良い設備で営業したいと思っていても、多額の設備投資の話をオーナーに持って行きにくい状況と言える。

面会での、もうひとつの話題は、6月初旬から一部の県にて先行導入され、全国的には6月14日から新装開店となっていたマルホンの最新機種・P天龍∞2についてであった。同機については不幸にも「欠陥機ではないか」という声が業界のあちこちで、またSNS上のユーザー同士の話題で盛んに取り沙汰されているが、現時点で分かっている内容について少し説明を試みたい。

まず、天龍に限らずアナログ要素が多い・強い機種ほどホールにとって扱いが難しくなるというのは、なにも今に始まったことではない。そのため、利益が取りにくい・適正な運用レベルを見出し難い、といったことについては、営業姿勢や運用技術、また1回交換や定量制にするなどといった運用スタイルの工夫を要するため、造りがどうのというよりは店舗マターであると言える。払出性能が高いため粗利が残りにくいから運用レベルを下げて臨む、という”普通の”考え方ではなく、”見た目”を良くして遊技意欲を喚起したり1回交換にするなどして売上金額の水準を高めて相殺するという手法もあるため、利益面で苦労している店舗があれば様々な思案を巡らせていただきたいと思う。

次に、無限回廊出口の回転体における玉の滞留と左下部チャッカーの開閉不良などの事案についてだが、全てが”構造上の欠陥”である、という指摘については、必ずしも正しい理解ではない。そうは言っても、設置・維持にあたり店側の”一手間”を要するのは事実であり、一般的なデジパチのように特に何のメンテナンスも要さず容易に設置し続けられる造りではないという点で、メーカー側が製造上の不手際や説明不足・アフターケア不足を指摘されたりしている現状は甘んじて受けるべきと考える。特に同機は先行導入があった訳だから、事前にトラブル事案を精査して全国導入に備えるべきであった。

では具体的に導入店が要する”一手間”とは何なのかについてだが、回転体で玉が噛んで停止エラー発報する、という事案については可動部への潤滑剤の塗布により発生頻度を低減したりゼロにすることもできる。これはその店の稼動水準がどの程度かにもよるため必ずゼロにできるという訳ではないが、効果があるということは既に分かっているため、同エラー対応に苦労しているという店舗におかれては一考されたい。

また、左下部チャッカーの開閉不良についてだが、これは遊技枠設置時の取り付け作業と島組みの状態がどのようなものであるかにも影響を受けることである。設置時に傾斜に気を付けるのは当然だが、案外と”垂直水平が正確にとれているか”については無頓着な店舗も多いと推察する。特に、昔ながらの釘打ちにより木枠を固定している店舗の場合は、枠の左上・右上・左下・右下の4点で正しく平面を成しているかどうか確認されたい。ここに”歪み”が生じていればチャッカーが正常に動作しない原因ともなり得るからである。

最後に、晴れて3段クルーンを攻略したものの右打ちが遅れたりチャージ用のチャッカー付近で玉が暴れて入賞を逃すことで本来得られるはずの1セット・5回分の当たり権利が何個か欠けてしまうという遊技上のトラブルについてだが、これは店側がしっかりとした遊技フローを客先に常設掲示することで発生頻度を低減したりゼロにすることが可能である。こういうところには、店側のセンスや対ユーザー姿勢が如実に表れて来るため、面倒でも是非”お客さんに損をさせない”、”遊技に際しての不安感を除く”という観点で相応のものをご用意されたい。また、チャージチャッカー周りの釘の状態について、チャッカーの方に玉が寄らないのであれば大当たり保留個数が欠けるのは道理であるため、この箇所の点検も怠らずにやっていただきたい。



雑談にしては長々と書いてしまったが、私の周囲での今週の話題は、上記のようなものであった。

物件・設備機器の不具合や新機種のパフォーマンスについて問題を抱えている中で全国的に梅雨入りが進み、天気も気分も晴れない日もあるかも知れないが、娯楽業種である以上ホール関係者は陰鬱な気分で営業に臨むのは好ましくない。

そのことを私自身肝に銘じて、常連客に向き合っていきたいと思う次第である。

楽太郎

Posted by 楽太郎