ATタイプ機戦線に”異常”無し

ホール側としてはスロットコーナー運営においてATタイプ機戦線に一波乱、つまり大方のホール・ユーザーの”想定外”的に良い機種が出て来ることを祈りながら2021年を過ごしてきたが、もうそろそろ半年が経とうとしている時点で、まとまった台数が導入されており高設定を使いながらも適当に粗利が残せてしかも稼動面で合格点が出せるのは、全国データ上では未だSバジリスク絆2だけ、という状況になっている。

もちろん機種選定の眼力が鋭い一部の法人・店舗などを局所的に見れば、S頭文字DやSバイオハザードなどスマッシュヒットと呼べるような機種を少台数ながらも導入していて旧規則機と遜色がない営業貢献度を維持出来ている場合もあるだろうが、全体的に見れば店側がイベント施策に頼らずとも、また過度に粗利を削らなくても日頃から適当に稼動してくれるような機種はごく僅かである。

新規則機が出始めてからこれまでの主要ATタイプ機の性能を大観すれば、リゼロ等に代表される機種は高TY且つ設定看破の難易度が低いという特徴があり、踏み込んで言えば低設定域では吸い込みが大きい&MYが低く、高設定域では過度に凹まずにひとつ上の出方をするという点で”分かり易さ”が長期稼動のネックになっていた。

これは営業支援の職域が好む表現だと設定毎のM♦・MY差が大きい造りで、つまりは”大味すぎる”ということになるだろうか。メーカ側としては現行の規格内で精いっぱい工夫して出した機種であり、それに対して大味だ、などと評価されても堪らないのだろうが、コンサルタントの方々は豊富なデータをまな板の上に乗せて吟味し緻密な評価を下すのが常なので、この評価は私としても妥当だと思っている。

では、大味ではない造りの機種とはどのようなものなのかと言えば、取り敢えずは前段で述べた内容をそのままひっくり返すことで導き出せるだろうか。つまり、設定毎の吸い込みと出玉のグラフ、M♦とMYの関係図が、出率設計値98~100%水準(多くの機種で設定1~3)ではなだらかな右肩上がりを描き、出率設計値102~110%水準(多くの機種で設定4~6)では先ほどのグラフからアクセルが掛かった上がり方をするようなグラフを形成するような造りであれば、レンジのバランスが良い、どの設定でも使用上の妙味がある機種だと一応の定義というか評価を下しても構わないだろう。

まあ、実際には店側はこのような機種、具体的にはSバイオハザードのような機種であっても日常的には全設定を駆使して運用するようなことはない訳だが(例えば自店では1・4・6しか使用しない)、「使おうと思えば容易には設定看破されずに使える」のと「分かり易すぎて使えない」というのとでは大違いなのは事実である。

新規則機の製造上の厳しい規格に対応して、こういった機種が造れるようになったのは開発努力の賜物だろうし、有利区間G数が緩和された新内規での型式も秋口から登場して来る運びになっている。思えば5号機時代の黎明期も特定機種への固定ファンをつくるのに店側としては大変苦労したが、完全に5号機時代に移行して3年と少しが経過した2013年あたりから真正面から向き合って運用できる機種がどんどん出て来たという事情もある。

なので私としては、開発上のチャレンジングな取り組みに対してはまずは否定的な見方などせずに、かと言って出て来る全ての新機種を導入するだけの余裕などない訳だが、それでも基本姿勢としては長い目で見て応援したいと思っている次第である。

楽太郎

Posted by 楽太郎