おもてなしと監視と管理と
寄稿文
ハイディホー、チャッキーだす。
先日の寄稿ネタの感想で、こういう厨二病全開のネタ好き!とのコメントを頂いたので、今回も乗ってみようと思う。
先日、知人からウルトラマンタロウの止め打ち攻略のYouTube動画の存在を知らされた。
止め打ちは遊技者に認められた行為だ。
ってか、止め打ちを禁止したら技術介入要素の否定になり賭博容疑で捕まっちまうぜ。
その前は、ミドルの大工の源さんでの針金による〇〇解放・大当たり誘発が公になった。
こちらは遊技機に細工をして不当に大当たりを発生させる、れっきとしたゴト行為だ。
こんな情報がネット上にゴロゴロと転がっている。
防御する店の立場としては、便利な世の中であると同時に、輩でないごく一般の遊技客もこうした情報に楽々触れられる厄介な世の中でもある。
不正行為の裾野が広がっているわけだ。
あっという間に情報が広がり、あっという間に対策される。
ネットの弱い昭和の頃は、こうは行かなかった。
発覚するのも情報が広がるのも遅かった。
俺みたいな一般遊技者が知る頃には、ゴト手口の開発者が稼ぎまくった後であり、ゴトの手口もゴト道具も二次三次利用で回ってくるレベルだった。
ついでに昭和の、知っている人には超懐かしい、嘘くさいネタをいくつか紹介しよう。
<嘘だろレベル100の荒業!>
某パチスロ2.2号機なのだが、リールとパネルの隙間が無かった為に、7図柄をテンパイさせた後にリール窓をグググっと押して、最後の7を揃えてストップボタンを押すとあら不思議、フラグが成立してないのに物理的に777を揃えると、本当にBBが発動したのだ。
発覚後は、リールをちょいと後ろにズラして設置する対策が取られたものの、今度はリール窓に穴を開けて(ピンバイスや、針金を熱して開ける者もいた)針金を突っ込んで停める者までいたようだ。
こんな間抜けなゴトを俺は他に知らない。
<嘘だろレベル中①>
某ユニバ系2.2号機なのだが、BETボタンを押しながら7をテンパイさせ、メダルを二枚投入したら、最後の7を有効ライン上にビタ押し! これでBBフラグ成立である。
<嘘だろレベル中②>
もう倒産したメーカーのパチスロ機。
先ずクレジットボタンをOFFにする。
子役が払いだされると同時にONにすると、クレジットが上がると同時に払い出しもされる。
15枚役ならば30枚獲得になるお得技。
この他にも、某有名機種の4枚掛け攻略とか色々あった。
俺は今でも新台が導入される度に「まさかね(笑)」と思いながらも、未だに色んな打ち方を試している。
さて、4号機=爆裂機の時代になると、ゴトの手口も凝った物になってくる。
電磁波で電源BOXをリセットし、初期設定の6にしてしまう。
針金で端子をショートさせてホッパーを回してメダルを吐き出させる。
台間メダル貸し機のドアに穴を開け、〇〇〇ボタンを使ってメダルを払い出す。
不正基板や不正ハーネスなどを取り付ける。
<不正ハーネス>
長い線がアンテナになっていて、電波を当てると大当たりを発生させる。

<クレマン君>
このようなクレジットを満タンにする器具も、ジャグラーを始め色んな機種を対象に使用された。

この辺の、ゴト師が慌てて逃げて忘れていった器具や、ゴト師から取り上げた器具は、セミナーや勉強会なんかで大いに話題になり役に立った。
現物持ってる奴なんて、そうはいないからね(笑)
とにかく、パチンコ機もパチスロ機も、台間玉(メダル)貸し機も両替機も精算機も発券機も、ありとあらゆる機器がゴトの危機に晒されたものだ。
今回、攻略もゴトも同じく店にとっての迷惑行為&敵対行為として同列に扱わせてもらった事を念のため記しておく。
なして、こんな事を今更書いてるかと言うと、先の寄稿ネタで書いたように、メダルで台の傾斜を変えて打ってる奴が現実にいるわけで。
笑い話でなく、今でも現役の手口はいくつかある。
カシメを壊されてロムを取り換えられた事例がいくつもある。
偽ロムを見つけたと喜んでいたら、それは実は発見される前提の捨て石で、もっと精巧な偽ロムが仕込まれていた事例もある。
大量に玉やメダルを持ちこんでくる奴もいる。
とくにパチンコ屋が閉店ラッシュな昨今、潰れたパチンコ屋から玉やメダルをごっそり盗んで、それを生きてる店で換金しようとする奴がいる。
情報の足が早くなったとはいえ、俺らが知らない内に被害に遭ってる手口があるかも知れない。
ただの誤差玉とか零れ玉と思ったらゴトなのかもしれない。
しかし、今の若い人に、そこまでの防御を教育しているパチンコ屋さんは多くない。
ましてやパチンコ&パチスロにあまり興味無く、食い扶持として入ってきた若い子が知るわけもない。
パチンコ屋というのは賭場である。
一般的な小売り物販やサービス業とは異なり、お客様へのもてなしと監視・管理を従業員が同時にやらなきゃいけないハードな仕事なのだ。
これは「客を犯罪者扱いかよ」と反発を生みそうだが、不正客を排除して、普通にルールを守って打って下さる一般遊技者の利益を守る事とご理解いただきたい。
その為にも、店員はレーダーであってほしい。
お客様に先回りでサービスを実現する為に観察したり雰囲気を察すると同時に、例え手口の全てを知らんでも、「こんな事があったら怪しいかも」「こんな仕草は怪しいかも」という予兆というか雰囲気を感じ取る程度の知識は必要なんじゃなかろうか。
今、パチンコもパチスロも爆裂機はナリを潜め、なかなか稼げない時代である。
だからこそ、どんな手を使っても(不正してでも)詐取してやろうという輩が出てくる。
ゴールデンウィークが終わって、その後には夏休みが迫っている。
是非一度、お店の防御力レベルアップをご検討いただきたい。
ではまた次のネタで会いましょう。
ハイディホー。
寄稿者紹介
チャッキー氏

<プロフィール>
ホールも含めた、多業種の営業コンサルタント。
ぱちんこ業界を冷静に観察/分析しつつ、基本的には厳しいスタンスで臨む論客。
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