ゴールデンウィーク入口に臨んでの雑感

先週中ごろからGWの入口にあたる今日に至るまでは、政治に絡んだ話題に事欠かない1週間となった。

その中でも特に、3つの地方選を舞台に自民党候補者がどの程度の票を得ることができるのかということと、大阪と東京を筆頭にまたもや緊急事態宣言が発令され当該エリアの特に飲食・販売・娯楽産業が受けるだろう時短・休業要請や休業の協力依頼に関する記事がweb上を賑わし、それらに対する意見もまた各所で様々な展開を見せた。

まず前者については、個人的には参院広島選挙区再選挙の行方に注目していた。その理由はもちろん、同県は昨年6月に公職選挙法違反容疑にて逮捕された前法相・河井克行氏とその配偶者で元参議院議員・河井案里氏の地盤であるため、彼らの裁判が目下継続中であるという事実と当地の県議・市議など多くの関係者が現金を受領していたという事実が致命傷となり、普通に考えれば、誰が後継の候補者として立ったとしても落選するか良くても大苦戦になるか、という流れが必至だったからである。

なので、このまま野党にむざむざと取られるよりは、2009年の衆議院選にて党代表と幹事長を含む全候補が落選するという憂き目を見て以降小選挙区の議席をひとつでも多く欲しがっている連立相手の公明党に”くれてやった”方が得策なのではないか、と個人的にはそう思って見ていた。

その結果は、政治団体・結集ひろしまから立候補し立憲民主党などの野党から幅広い支持を得ていた、地元ラジオ局でパーソナリティーを務め現在はフリーアナウンサーである宮口治子氏が初当選した。同氏が掲げたのは「市民感覚に一番近い政治へ」であり、公式サイトにはこうあった。「大規模買収事件について不正に使われた1億5000万円はどこから来たの?お金を受け取った議員も大きな問題。そのままでいいの?疑問がいっぱい。でもこのままだと広島県民は許したことになってしまう!」―――つまり彼女は当地の自民勢にとって最も痛い”政治とカネ”を問題視し、裁判と言うかたちで表面化したものだけではなく未だ地下茎のように贈賄収賄の根は巡らされているのではないか、そのような状態ではいくらなんでも今回は自民党という選択肢などない、と突きつけたのであり、こう来られてはやはり自民党には勝ち目が無かった。

他のふたつ、衆院北海道2区補選では立憲民主党の松木謙公氏が、参院長野選挙区補選でも同じく立憲民主党の羽田次郎氏がいわゆる”弔い選挙”に手堅くも勝利し、これにより自民党は直近での選挙で全敗という結果とこの1年で万事に亘り改善をみなかったコロナ政策への辛辣なる審判という大きなマイナス要素を抱えたまま、追い込まれるかたちで秋の衆議院選へと雪崩込んで行くことが予見される。

次に、後者として挙げた3度目となる緊急事態宣言について。これは諸業種にとって酷過ぎる要請であり、時短にしても休業にしても、またアルコール類の提供不可や夜時間帯の消灯要請或いはステイホームの呼び掛けにしても、どのような言い方で政府・自治体が国民ならびに地域住民に訴え掛けたとしても全く響かないことが見通されていたが、いまの状況は果たしてその通りになってしまっている。

その原因の多くは政府・自治体側にあり、要は「金は出したくないが要請は聞いて欲しい。それだけ医療現場は逼迫しており、いまが正念場なのだ」という具合いに、この1年間ずっと聞かされてきた内容そのままで、ほとんど改善を見ないままだったからだ。

もちろん、特に大阪などは本当にマズい状況下にあり本気で”人流”を止めないと適切な医療の提供が滞る局面にあり、不平不満或いはヘイトを政治に向けている場合ではないのかも知れない。私自身は東京の人間なので当地の人達の雰囲気のようなものは感じ取ることができないが、ここ東京に関して言えば、いよいよ再び新規陽性者数がこれまでとひとつ桁が違う1,000人という大台に乗った今日ですらも、人心には大した警戒や恐怖感までは無いように見える。路上のちょっとした空き地や人目に付きにくい路地などは仕事上がりの会社員の、また公園などは若者たちが星空の下で車座となって”宴会”に興じるスぺースと化す場合もあり、これがGW期間中に外出自粛ムードにしっかりと切り替わるかというと、なかなか難しいだろうと見ている。

このような状況下での、ホール営業の様子を見ていきたい。まず初めに懸念材料として、”堂々と、開き直って営業してしまう”店舗がどれだけ出て来るのかに注目していた。

どういうことかと言うと、今回は営業面積の区分上では特措法に基づく休業要請に該当していない多くの中小店の中から、例えば「パチンコスロット店はこの1年間の営業実績上クラスター源とは確認されていないばかりか、高度な換気性能が社会的な認知を得て来ているため、行政側から休業せよと言われても無理がある」という主旨の文言を盛り込んだ発信をしたり掲示物を用意してユーザーに訴求する店舗が出て来たり、ホール組合・業界団体が同様の発信をした場合に、それは極めて”筋が悪い一手”になるだろうと思っていた。

その理由は、感染拡大に係るエビデンスがどうの、というのではなく、GW期間中にみんなで頑張って人の動きを止めましょう、というのが今回の緊急事態宣言の主旨であり、まさに筋違いだからだ。業としての誇りを胸に、卑屈にならず、努力と成果を適切に示し願わくばユーザーのみならずより多くの人々から認められながら堂々と営業したいという気持ちの表れであることは理解できるが、”安全宣言”をしたり行政側は無策で横暴だとでも言わんばかりの態度で臨むのは好ましからざるものだと言わざるを得ない。

現時点では幸いにも、昨年の4月のように“社会悪”扱いまではされていないが、仮に都市部中心に1,000人・2,000人水準の新規陽性者数が連日報じられるようになれば、ホール側が置かれる立場は一変する可能性すらある。それだけ、世の中におけるホールの立場は弱いものだ。

とにかく、ホール側は「叩かれるネタを自ら提供しないこと」が肝要である。営業の本質的なものとして組み込まれているいわゆる換金や釘調整など“完全排除”できない性質のものに関しても、「緊急事態宣言下なのにパチ屋は堂々と営業し開店待ちの並び整理もロクにしていない。やはりこれは劣等業種で既得権益としての換金なんてそもそもおかしいじゃないか」といった”よくある方向”に話を持って行かれ、在ること無いことを含め散々な言われ方をされないようにしたい。また、勝ち負けが介在するものの本来は適当な関係性を保てているはずのユーザー側から、さすがにこの釘の状態は酷過ぎるのではないか、もうこんな店(業種)なら要らないと、匙を投げられてしまわぬように、ユーザーが“敵側”に回ってしまうことのないように、必死で防衛しなければならない。

それだけに、今回の緊急事態宣言下での営業に際して、ワクチン入手・接種施策の不備だ、当初からボトルネックと目されていたコロナ禍でも適切な医療を受けられるようにキャパシティ拡充しておくことが1年経っても全く出来ていなかったなどと、仮に正論ではあっても全て政府・自治体の落ち度としてしまうことで“堂々と”或いは“開き直って”営業してしまっては元も子もないことと言える。そのような振る舞いにより、この1年で得たもの或いは理解され許容されたものすらも失ってしまうことにもなりかねない。

そういった意味で、「世間から見て健気なほどに感染拡大防止対策に励み、粛々と営業させていただく」というのが営業判断をした店舗における無難な態度と言えるだろうと述べて、この雑談記事を締める。

楽太郎

Posted by 楽太郎