自称ヤクザのアホ客がドナドナされてった昔話

寄稿文

ハイディホー、チャッキーだす。

俺のお客さんの中の一軒のお店が、ヤクザの事務所のご近所さんなの。

と言っても当然、尻持ちしてもらってるわけではない。

店に迷惑かけず入れ墨さえ隠していれば遊技も出来るという穏便な関係である。

勿論人間なので、はまって不機嫌になる事はあるが、玉を出せだの出る台教えろだのとゴネる事もない。

その辺は、むしろ素人の一般客の方が鬱陶しいくらいだ。

その素人客で質の悪いB1って客がいてね。

Bってのは馬鹿=BAKAのB、1は識別番号一番ってこと。

玉が出ないと怒ったり、店員に因縁付ける事数知れず。

その店では、客は金蔓と教えているし、客には文句を言う権利があるというスタイルで営業してるし、馬鹿客の罵詈雑言を聞き流すためのロープレなんかもやってるからスタッフは、「また哀れな馬鹿が喚いてるなぁ」と屁の河童。

打たれ強さは男女スタッフ共に天下一品である。

それでも度重なると、他の客からも鬱陶しがられるし、こっちも相手するのが面倒くさくなってくる。

そんなある日、そのB1(馬鹿の一番)が、いつも以上に店員に当たり散らしてたんよ。

こっそりとピンマイクの音を聞きながら録画スイッチON。

そしたらさ、「俺は、そこの〇〇事務所のモンやぞ、舐めとったら店潰すぞコラァ」といきり始めた。

こういう時に、警察に電話しても何の解決にもならない。

イキってるだけでヤクザですらなく、ただのガラの悪い会社員なのはこちらも把握してる。

警察に突き出しても説諭で解放だ。

仮に迷惑行為で被害届を出しても、警察は面倒くさがって受理しない。

かえってB1が図に乗る事になりかねない。

なので、ヤクザと名乗るならヤクザに処理してもらおうと思って店長さんに相談。

面白い事になるぞ、と笑いながら、B1が所属していると主張する事務所に電話した。

「あのぉ、そちらの組員を名乗ってる男がウチで暴れてるんすけど、どうにかなんないですかね。いえいえ、警察に持ってったら、暴対法の問題で組長さんが紐付きになっちゃうでしょ? いつも静かに遊んでくれてるし、こっちも大事にする気はあんまりないんすよ」と話すと、わっかりました、すぐ行きますから、その男逃がさないで下さい!!と明るく元気な返事が返ってきた。

もう、どうなるのかウキウキしながら店長と二人で、B1がいきがってる現場に行くと、一番弱そうな俺につっかかってきた。

そのまま揉めていると、間もなく大きな(たぶん)ハイエースがやってきて、スーツ着た好青年が数名降りてくると、B1に向かって「あんた? ウチの者って名乗ってお店に迷惑かけてるの」「見た事無いな、アンタの事」「俺らに罪をかぶせようって、どういう事よ」と静かに語りかけた。

すると、先刻まで喚き倒していたB1の態度がコロッと変わり羊のようになり、「そ、そんな事してないですよ」とオロオロし始めた。

最後に、俺らに向かって、「ねぇ、なんとか言って下さいよぉ」と助け船を要求してきたけど、店長は「ナントカ」と言って笑ってるだけ。

結局、二度と来るなよ、と店長に言われたB1は、男達に両脇を抱えられてハイエースに吸い込まれた。

それから車がお店の駐車場を出ていくまで、俺の横で店長が、「ドナドナド~ナ~ド~ナ~、お馬鹿を乗せて~」と歌ってて大笑いしてもうた。

お店で店員相手に憂さ晴らしするのは止めようね。

ましてや、くれぐれもヤクザを名乗ったりしませんように。

ではまた、次のネタで会いましょう。

ハイディホー!!

寄稿者紹介

チャッキー氏

<プロフィール>

ホールも含めた、多業種の営業コンサルタント。

ぱちんこ業界を冷静に観察/分析しつつ、基本的には厳しいスタンスで臨む論客。