地域ユーザーと向き合う営業スタイルなら、短期的に営業計画より”出てしまっても”全く問題ない

東京においては緊急事態宣言が解除されて以降の人出が増し、居酒屋をはじめとした繁華街の飲食店にも仲間内で連れ立って来店する会社員が目に見えて増えて来ているという印象だ。この事について、感染拡大第四波の入り口であるとかワクチンの普及見込みによる気の緩みであるとか様々な懸念材料はあろうが、そういったことにはここでは言及しない。

パチンコスロット店においても、実際にホール営業の現場に立つ身では”稼動ピークの時間帯”がようやく戻って来たように見える。緊急事態宣言下でも一応だが客数が増える時間帯というものはあったが、波に譬えれば若干だが水位が増す程度のもので、呼出しランプ対応やトラブル対応、賞品カウンター対応をはじめとした業務が一気に多忙になりその時間帯が終わるとちょっとした開放感を味わえるような時間帯の存在を強く意識する日はそれほど多くなかった。

しかし今は、自店では19時から20時半くらいにかけて客数が3割増し程度に一気に跳ね上がる時間帯が生じ、それ以前に割高で推移していたものがまとまった売上が得られたことによって許容水準にまで落ち着いたり、或いはその逆でどこもかしこも当たりが掛かり始めて活況となり仕事上がりの会社員常連客が実に楽しそうな顔で遊技する様子を窺うことが出来て、やはりホール営業にはこうした「人・金の出入り」と「感情の上下動」が大きな要素であることを改めて実感させられる。

このピークの時間帯の始まりは特に営業立地により前後し、またその時間ももう少し長いか或いはその逆で短いかといった違いが店舗ごとにあるかと思うが、概ね都市部の同業者であれば似たような所感を持ちながらこの3月末を過ごしていることと思う。

ひとつ例外としては、この時間帯のまとまったスロット稼動の受け皿となり得る王道系ノーマル・RTタイプ機を持っていない店舗が挙げられるだろうか。だがそれでも、多種多様にジャグラーを設置してはいないがゴーゴージャグラー2かマイジャグラーⅣくらいはあるとか、ユニバーサル系の旧タイトル機を2~3台ずつで一通り揃えているとか、バラエティー構成ではあるが同タイプ機を島・コーナー規模で構築している店舗がほとんであると思われるため、やはり一定の稼動増にはなっているのではないかと推察している。

日々あちらこちらのエリアで、名の通った店舗が廃業するといった残念な報に触れる機会も増えているが、このような時期にユーザーを”苛める”ようなことはせず、より多くの日数、より長い時間をホールで過ごしてもらえるような運用レベルで出迎えることで、新規則機時代でも充分に一喜一憂できる遊びとしてパチンコスロットに興じてもらえるように計らってくれるホールがより多くあるように願いたい。

私自身はこの3月、ただひたすら地域住民・常連客を信じて機種運用し続けた。具体的には、20日の「春分の日」前の時点で中間締め的に運用数値を見た際に、当初の計画よりも薄利になってしまっている機種について、それが自店におけるボーダーや設計上の理論値を念頭に置いた運用レベルで粗利が取れていないのであれば、それはお客さんの”運”や”引き”が優っていると捉えて敢えてレベルダウンさせることはせずに”放置”した。

これは普段、頭では分かっていても数値管理する立場ではなかなか出来ないことで、特に期末だとか営業数字作りの要所となる月においては上長の目を意識するとより多くの粗利を残せるように場合によっては過度に”無難な”運用レベルに下げてしまう。しかし、自店はイベントを駆使したり他エリアから引っ張って来るような広告宣伝を伴っての営業スタイルではなく、あくまでも地元の方々相手に毎日いつも通りの営業を堅持するスタイルであるため、仮に予定よりも多くお客さん側に返してしまってもそれを遊技原資としてまた持って来てくれると期待して、兎にも角にも我慢した。

何より、私自身がもう気に掛ける上長が事業部内に居ない立場で店舗管理しているので、例えばスロット4号機から5号機への規則改正時(2004年)のように店舗に張り付いて純粋に店長をやっていたり、前任営業部長の指揮下にあった旧MAXタイプ機の撤去開始(2015年)当時よりも、長い目で見てまたより強い職権で営業現場を管理できるようになったのも大きいだろうか。そういった意味で、今月のように短期で見れば営業計画よりも薄利で推移していることそれ自体は不幸・不運だが、そのイレギュラーすらも自店の営業力に換えることがようやく可能になって来たことはとても大きな収穫であった。

もちろん、ホール営業は「回せば良い」「出れば良い」という訳ではなく、出玉についてもホールの心意気や運用上の”手心”が感じられて初めてユーザーはまたここで打ちたいと思い贔屓にするということはあるだろう。確率的にたまたま軽く動いて出ただけなのと、そういう営業をホールが施策として仕掛けている、つまり狙い所を提示したイベント営業を駆使しているのとでは、評価は異なって来るのかもしれない。また、ユーザーはホール側の日々の地道な営業努力や店作りにおける工夫・配慮よりも、分かり易くより目立つもの、投資面でも物量面でもクオリティでも”圧倒的なもの”にしか気が付き難い、記憶に残り難いということはあるかも知れない。

それでも、コロナ禍に際して売上・稼動が貧弱な時期においても変にケチなことはせずに、かと言って大盤振る舞いもできないが、パチンコでもスロットでも低貸しコーナーであっても一定の運用レべルを保ち続けることができたためそれを地域住民が好意的に評価してくれ、或いは商圏内の他店舗よりも”マシだ”と感じてくれているのが営業数字に表れるようになったのを嬉しく思っている。

年度末、また多くの企業における期末にあたり、自社・自店のようなちっぽけな存在であっても文字通り地域に根差せばこれから先もやって行ける手応えを幸いにも得ることが出来ているので、もしも今とても厳しい経営・営業状況にある同業の方々が居ても、ここまで苦労して来たのだからついでにもう一苦労くらいの気持ちで、是非状況改善に向けて邁進してくれることを祈念してこの雑感記事を了としたい。

楽太郎

Posted by 楽太郎