東京五輪、入替自粛の可能性、緊急事態宣言に関するぱちんこ業界あれこれ

2月中旬は東京オリンピック・パラリンピック絡みの報道が目立ち、その内容のだいたいはゴタゴタしたものでありもう既に世論は開催を歓迎しておらず白けた雰囲気さえも漂い始めたという印象だ。

運営側である組織委員会の事情はさておき、よく話題になる事柄としては、中止した場合の経済損失と世界中で始まったワクチン接種がどの程度の効力を発揮し数字として表れて来るのか、という2点である。

経済効果について、調査分析機関ごとに試算の仕方や数値は異なるが、概して十数年で30兆円ほどの経済効果を見込むという内容が多いようだ。詳細を見ると開催にあたっては万全な観客数が前提となっており、その後の観光による入国者増が期待値として織り込まれているが、近距離での対人と”人流”を抑制することこそが感染拡大防止に寄与すると周知になった今、もはやそのような世界情勢ではなくなってしまったことで試算値の前提となる条件は崩れているように見える。

政府はワクチンの効果を恐らくは高く見積もっているが、開催時に諸外国のアスリートを所定期間隔離することなどは考えていないという時点で、夏場までに新規陽性者数や重症者数などの数値が落ち着いていたとしても、世論はこれが感染再拡大の火元になってしまうことを危惧している。何故かと言えば、イギリスをはじめとした諸外国では変異株が出て来ており、来日するアスリートを隔離した上で経過観察せずに出場させることで約11,000人と言われるオリンピック出場枠を得た選手と約4,000人と言われるパラリンピック選手、これに加えて数千人規模の報道関係者が変異株を持ち込んでしまう可能性が高まるからだ。国内では諸事の自粛や特段の配慮を持った生活・行動を求められるのに、国策として実施するイベントなら多少管理が緩くても構わないというのでは理解は得られない。

また、そもそも論として、今回のオリンピック・パラリンピックが当代きっての身体能力や技術、チーム力を誇るアスリートたちによる最高峰の競技会となる保証すらも無くなって来ている。これも調査機関ごとに数値が異なるが年始の時点で6割ほどの出場者選考しかなされておらず、欧米諸国ではいまだ大都市がロックダウンという状況下でどうやって自国の最高のアスリートを選出して送り込めるというのか。

おそらくは開催が決まったとしても、名のある選手がコンディション調整に難航して出場を逃したり来日に難色を示すという場面も出て来るものと見通す。そうなれば、仮に無観客で開催してTV放映・動画配信によって”人類が新型コロナに勝った証”をPRしようと試みても、目当ての選手が出ない、競技レベルに期待ができないなどの理由によって発信効果も試算を下回る可能性が大きいと推察する。選手として参加することに意義はあっても、まさか国として「内容はさておき、開催すること自体に意義があった」とは言えないだろう。

もちろんこれらは全て素人意見だが、少なくとも純粋な気持ちでオリンピック・パラリンピックを楽しむという雰囲気ではなくなってしまったというのは、多くの者が共通して持っている所感かと思う。

さて、このオリンピック・パラリンピックに関して、ぱちんこ業界内では警察行政への間接的な協力としての”入替自粛”という通例は、今回は無いだろうという目算が高まっている。より具体的には、規則改正に係る入替の進捗状況を見れば暗にでも警察庁が協力を求める可能性は無く、また業界側が進んでこれを実施して監督官庁の歓心を買うような余裕は今回は無い、ということだ。

それだけ新規則機の設置はペースが遅い訳だが、これには営業数字の多くを旧規則機に依存していたり、それらの設置期限切れが7月以降に一挙に訪れることからそこまでは設置しておくのが得策という判断によるものである。昨年末の時点ではパチンコが約57%(新規則機130.8万台/全国230.1万台)、スロットが約42%(新規則機64.5万台/全国154.8万台)という新規則機設置比率になっていた。これは1月に入りスロットメイン機の撤去が進んだことで3%程度数値が上昇したものの、一定以上の事前評価を得ることができた新機種が昨年11月から年始にかけて沢山販売されたが、島・コーナー単位で設置されている旧規則機がそれでも期限日に先立って撤去されるということはなかったため、ホール側はこの度の経過措置期間の過ごし方においてはより多くの旧規則機を期限ギリギリまで使うということを改めて示す格好となった。

つまり、パチンコスロット双方ともに、本当に大規模な入替は7月以降になるということだ。7月から12月末までの期間において、パチンコは約95万台が、スロットは約74万台が設置期限を迎える。このような重要な時期に丸1ヵ月の入替自粛期間を設けるというのは現実的ではなく、それ故に現況を冷静に見れば警察庁が暗に求めたり業界側が殊勝にも自粛方針を打ち出す可能性は、この2月の時点でゼロになったものと推察する。

最後に、日本人が初めて経験した冬季の新型コロナという生活環境がもうそろそろ終わり、会社・大学での歓送迎会も世間一般の花見もない春を経て梅雨、そしてオリンピックシーズンとなる夏季を迎える流れで起こり得ることについて付言して締めたい。

全国事情を網羅するのは骨が折れるためここでは私が居る東京でのデータ紹介に留めるが、昨夏において都内で「新規感染者数」として発表された数値のピークは8月1日の472人というものであった。これは1週間後の8月7日に461人という数値となりひとつ上の水準への上昇も懸念されたが、それ以降は実質的なピークアウトとなり100人以下の日も見受けられるようになるなど沈静化の様相を呈した。第三波の兆候が出始めた11月中旬までの2~3カ月平均で見ると、日当たり200人台前半という数値になるだろうか。

これを踏まえて、では一体いつになれば目下の緊急事態宣言が解除されるのか、数値的な基準はどの程度かが気になるところである。ホール営業現場の目線では、夜時間帯にまともな会社員稼動を得たいがために、より早い解除を求める声が上がって来る訳だが、仮に500人という数値を基準としたならばそれは昨夏のピーク時を上回るということになる。

もちろん、当時と今とでは有効ワクチンの有無という違いがあるが、私見では500人水準では宣言解除は無いものと推察し、つまり”緊急事態”は長引くものと見通している。度々話題に上がる重要な項目である「実効再生産数」が大幅に改善されればまた話は変わって来るのだろうが、昨年11月中旬から12月中旬にかけて400~500人の発表が相次ぎその後は800~900人が頻発するなど水準が上昇した流れで遂に1,000人を超え、記憶に新しいように年末年始には2,500人前後の発表となり緊張感が一気に高まったように、リバウンドの懸念が大きい500人水準での解除に対して政府としては及び腰であるように思う。

そのように考えると、ホール営業に関して、まだまだ我慢の日々は長引くだろうと述べて本稿を締めさせていただく。

楽太郎

Posted by 楽太郎