パチンコ店長は所属会社・上長と衝突してでもユーザーを減らさないための意見の具申や努力をすべき【回答】

SNS上では「回せないパチンコ台ばかりになった」「生活圏内にはもう、まともに遊べるホールが1軒も無い」という主旨のユーザー発信が目立つようになり、当ブログ・Twitterにも同様の連絡が増えて来た。

これには、規則改正に伴う設置機種の大規模な入替とコロナ禍が直接的に影響して全国ホール企業の事業収益が悪化したことが原因として挙げられ、特にそれは目に見えるところでは4円パチンココーナーの釘の状態に、また業界マクロデータ上では時間粗利等の上昇というかたちで表出している。

今回は、当ブログの「お問い合わせ」フォームから寄せられた同様の4件の連絡から1つピックアップして紹介し、それに対して回答を試みる。

なお、本業の傍ら運営している個人ブログにつき、お問い合わせの全てに回答することには無理があることを、この機会に改めてご理解・ご容赦いただきたい。

フェレ さんからのご連絡

こんにちは。 いつもブログを楽しみに拝見させて頂いています。

以前のブログで質問を採用して頂いた事があるものです。内容は、ライトの009とAKBバラにおいて、同機種間での運用差で質問しました。

今回は、店長さんは長い先まで考えて営業する人はいるのか?と疑問に思っているので、質問させて頂きます。

ボーダー関係なく15/k前後のクソ釘で運用している店はかなり多いと思います。その店舗の店長さん達は、そのように客単価を無理矢理上げて、色々な方がパチンコ業界から去っていってもいいと思っているんでしょうか?

もう本当にタイムリミットは近いと思うんですが…趣味が多様化したから…規制変更で期待値が低くなったから…コロナだから…と外的要因のせいでお客が減った!俺達は悪くない!と言い訳しても仕方ないと思うんです。

新台入替の頻度・費用対効果、大幅な経費の見直し、月間売上の見直し等、お客さんの財布に頼らず生き抜いていくべきです。

昔はお客さんの財布に頼れば何とかなったんでしょうが、現代人の懐事情では絶対無理です。残念ですが、僕も今日をもってパチンコをやめる事にしました。新年入ってからウン十万消え、完全に萎えました。年々キツくなり30歳のリーマンにはもう無理です。

上から求められる売り上げがあるから…とおっしゃる店長さんは多いと思いますが、今だに売上重視で目標を言っている老害なんて、定年まで金が欲しいだけなんだと思います。定年後の業界なんぞ知ったこっちゃないと思っているはずです。

このままもっとお客さんが減り、業界が先細ったら、昇進しても給料は大した増えないとなりかねないと思います。自分と業界にとっても、そこまで考えてもっと上とぶつかり意見を言う方が良いと思います。

集客・売上において、上を目指したら…現実は何とか現状維持程度か微増、現状維持を目指したら…現実は減少、といった感じになると思っています。経営だけでなく何事もそんな風にしかならないと思うんです。

長々と、しかも稚拙な文となってしまいましたが、約5年程楽しませて頂いた業界の先行きが少しでも明るくなって欲しいと思い質問させて頂きました。

ご質問への回答

まずお断りをということで、長くブログ閲覧していただいている方はお分かりの通り、私自身が純粋な意味での”店長”ではないことと(本社役職と兼務しているため、店舗運営よりは経営寄りの立場です)、広域に多店舗展開しているような立派なホール企業に所属している訳ではないため、満足がいくような回答ができない可能性の方が高いです。

それでも構わなければ、あくまでも経験上のことと私見を交えながら簡潔に回答します。

まず結論から述べます。

業種に関係ないことでしょうが”店長”の権限には法人ごとに大差があるのと、法人・店舗ごとに必要利益の水準は大きく異なること、またユーザーの立場での営業状況の良し悪しの判断は日々の勝ち負けに左右されるなどするため、詰まらない回答になりますが今回のお問い合わせ内容である

・長期的な視点で営業する店長はいるのか?

・機種ごとのボーダー不問で回らない台ばかりであり、営業現場の店長たちはユーザーがどんどん減っても構わないと思っているのか?

・ユーザー減はぱちんこ業界にとっても店長である自分自身にとっても極めて悪い流れである。ゆえに、そうならぬように上長や会社と衝突してでもユーザーを減らさぬように具申してあらゆるお金の使い方や機種運用について見直しを掛けるべき

これらに対しては、普段そのように思わせられているホール企業・店舗の店長さんに実際にヒアリングしていただくよりほかありません。

私には他社の経営状況や他人の考え方の真意を理解することなど出来ず、おそらくは一般的な”店長”さんと私とでは立場も裁量も全く異なるため、そのような方々の考え方に寄り添って代弁するのは無理があります。

ですが、これだとあまりに突き放した回答になるため、冒頭で述べた通り経験則と私見で補足します。


まず一般に、店舗展開する規模が大きいため運営上の諸事の多くをマニュアライズする必要があったり、企業というよりは家業色が濃く経営者一族の意向で事業内容の大部分が決まっているような店舗においては、”店長”は本社や経営者の指示・意向の”遂行者”つまりオペレーション人材の性格が強くなります。幾分か嫌な言い方をすれば、単なる”営業施設管理者”や”労務管理者”程度の権限しかない、ということになるでしょうか。

つまり、長期での事業計画に対して具申したり、短期であれ利益額を削る性質の提案をしたり、「業界はこうあるべき」というような大きな枕詞で意見することは相当にハードルが高いと言えます。

仮に意見することができても、それを実行に移すことはまた別であるため、例えばフェレさんが日頃遊技していて営業状況が良くないと判断した店舗であっても、そこの店長さんは上長に対してこのような営業は得策ではないと日々具申して改善案を提示している可能性もあるかも知れません。

意見が通らないことの理由も個別事案のため一般論でしか言えませんが、会社自体に意見を受け容れるだけの余裕が無い場合や、意見する本人の社内評価・実績・信用が不足している可能性、また仮に店長さんの成績や人物評が優秀であっても意見を通すための下地作りや根回しのようなものが不得手のため意見が蹴られてしまっている場合も多々あるでしょう。

また、ユーザーの財布に頼るのではなく節約努力や効率化を、というご指摘に関しても、店長さんの責任の範囲内でほぼやり切っているという場合もあるでしょう。店舗内で工夫して浮かせた諸費用分を会社が当たり前のように吸収することで、引き算した分を営業現場での足し算として使う―――要は機種運用レベルを維持することに割り当てるということが出来ないでいる法人・店舗は全国各地に沢山あるかと推察します。

ここで、先ほど利益に関して口出しするだけの力が無い店長を指して単なる営業施設管理者や労務管理者という言い方をしましたが、これは必ずしも悪い訳ではありません。パチンコスロット機の運用レベル、俗な言い方をすれば還元度を大きく変えるだけの権限はなくとも、会社から課せられた職責を全うしている店長も数多く居るでしょうし、その職責の範囲内で場合によってはマニュアル外の対応をマンパワーで実行しているという場合も多々あることと思います。

例えば、ハウスルールとして提示している内容に忠実に則れば”否"とすべき事案に対して、状況判断した際に己の責任において敢えて”是”とする方が、それこそ今回のご質問にもある通り長い目で見て自社・自店にとって利益をもたらしたり、より多くのお客さんにとって遊技環境が快適に保たれたり、ぱちんこ業界全体のことも含めて対外的な好印象に寄与したり、避けられるはずの不利益や悪評の発生を回避するだろうことを予見して判断を下すような場合です。

より具体的には、ユーザーが不測の被害を被ったりした場合―――ここでは所持品の損壊(物理的のみならず気持ち的にもう使用したくないような状態になった場合も含む)や盗難被害に遭ってしまった際の個別対応を想起していただけば適当かと思います。

個々の人や機会に臨んで応変に対処する、その判断や指示を自身の責任で下すというのは口で言うほど容易ではないので、そういった意味で私は、仮に一時的に会社の利益を減じてでも集客すべし、ファン人口を維持するべく現状の在り方を改めるべきなどという提案をしても通らない店長さんが居たとしても、程度が低いなどと見做したりはしません。与えられた職責を全うしているならば、それは肯定されるべきだからです。



では、どのような職責にある者がフェレさんのご質問に対して真摯に向き合うべきかと言えば、店長の上長にああたる統括的な立場であるエリア長・営業部長・事業部長といったホール事業に対する責任範囲が大きい者です。

実際、そのような立場にある私は、会社が要求する数字の額面上の達成だけを追求すると事業・営業の内容が悪化して長期的な視点では自社・店舗にとって様々な利得機会の逸失となると判断された際には、当座の利益を削ったり敢えて投資金額を増やしてでも対処すべき事案と位置付けて、役員が意図するところとは違ったとしても自身の責任で推し進めるという場合はあります。

なので、この先々、店長職を他の者にようやく任せて本社役職業務専任となり、仮に店長から同様の狙いで営業企画が出された場合には、これまで自分自身がそうして来たことでもありますから「善処する」ということになります。

そういった意味で、改めて今回のご質問に対する率直な回答としては、店長だけに現況改善を求めるのは無理がある。そのためには、会社としての懐具合はもちろん社内風土、上長の考え方・営業現場の理解度、上長と店長との関係性等が大きく影響すると述べて、本稿を締めさせていただきます。

楽太郎

Posted by 楽太郎