汝、お客さんを食い潰す事なかれ

寄稿文

ハイディホー、チャッキーだす。

コロナ前は、ギャラの高い店では週二くらいでホールに出てた。

こんなんかぶって歩いてたから、よくお客さんに話しかけられた。

人は、「自分よりアホや」と思う人間には気を許す性質があるからね。

特に年配客から色々と話しかけられる機会が増えてね、出玉だ新台だって話だけでなく、世間話も徐々に増えていってね、その内に、身につまされる話も増えていったのよ。

 本気か冗談かわからんけど、笑いながら「また歳をとるんか」「死ぬのが近くなるだけじゃ」など、どう答えていいのか分からん事を言う方々がいてはった。

 前はカメラが趣味だったけど、目が悪くなって止めた。

 体力が無くなって、あと、トイレが近くなって、遠くに出かける気にならない。

 激しい運動をせず、ずぅぅっと座って出来る趣味はパチンコくらいだ。

 碁会所や将棋会館が閉鎖してしまい、仲間がいるのはパチンコ屋くらいになった。

 (独居なので)家に居ても一人なのでつまらない、待っている人もいないし、知り合いがいるわけではないけど、賑やかなパチンコ屋にいるほうがいい。

 近鉄時代からバファローズファンだけど、生きてる間に優勝が観られる気がしない(笑)

 最近、膝が痛くてお店に来るのも一苦労だ。

 今日を生き抜くだけだ、先の事は考えられない。

 歳くって、もう先が無い、残された時間が無い。 

 いつ死ぬか怖いけど、考えないようにしている。

そんな、俺がホールをうろちょろしてる時に話しかけて下さる、ほんの一部の年配客の、そのまた一部の話だけで年配客全体を分かったように語るわけではないのだが、多かれ少なかれ、強かれ弱かれ、死ぬことへの恐怖や焦りや不安、歳食って、出来なくなる事が増える苛立ちや不甲斐ない気持ちを抱えている方も少なくないのかなと思ったわけですわ。

補足すると、カメラが趣味だった方には、バリアングルの液晶が付いたデジカメと、それをキタ〇さん等の店舗で印刷できる事を教えたら、またカメラ散歩にお出かけされるようになった。

編集と印刷は息子さんがしてくれてるらしく、たまに作品を見せて下さる。

囲碁&将棋が趣味の方の為には、店の休憩スペースに折り畳みの碁盤や将棋盤を置く事にした。

数人で来られて、二人は囲碁や将棋、残りはパチンコに興じてるようだ。

たまに俺も囲碁に付き合わされる。

(条例・所轄の指導方針により休憩所にこういう余計なものを置いてはダメという場合もあるので、置く時は所轄に事前確認をお願いしたい。サービスのつもりの施策で処分食らったら切ないし)

バファローズ好きのおっさんとは、オフには新人の話とか助っ人の話や、如何に優勝するかの架空の話とか、かつてバファローズを支えた名選手の話なんかを織り交ぜた。

シーズン中は、勝てばサムアップで答える程度で、むしろ大人しい(笑)

なして、こんな事をやっているかと言うとね、俺が昔、脳梗塞で倒れた時、明日も分からず、治るか否かも分からん時に抱いた不安が、一部の年配者には濡れ落ち葉の如く纏わりついているのだろうな、そういう闇&病みの感情が沸いた時に、若い時には軽く見ていた、「パチンコ屋はお年寄りの憩いの場(または現実逃避の場)」という嘘臭い文言が、にわかに現実味を帯びてきたのよ。

そうすると、ウチではせめて気楽に打って欲しいなとか、月の頭でドーンと負けて中盤や後半に来られなくなっちゃう店よりも、同じ金額負けるにせよ、勝ち負けの紆余曲折があって結果的には負けましたって流れが出来る調整の店がいいなと甘っちょろい気持ちになっちゃうのよ。

あとは、もう半ば自己満足の域かもしれないが、入れ替えの予定は、機種の発表ができなくても、仮日程は店内告知して「来てや」「カレンダーに丸しといてや」と声をかけた。

某店では、お客様の見送りの際には、有難うございましたに加えて「また明日!」と言うてみた。

(土日だけ来店されるのが分かってる方には「また来週」と言うてみた)

ついでに言うと最近膝が痛くって等の体調面の話題で会話をしたお客さんには、次にお会いした時に「あれから膝、お加減如何ですか?」などと時間的繋がりを作ると、パチンコ屋に限らず年配客には「効く」。

とにかく、出玉とか新台への期待感も勿論大事だけど、明日、来週、来月、来年と、「この先」を年配客には意識して欲しいな、気楽になって欲しいなと思ったんや。

年配者が生きていく張り合いとか現世への未練の中に、ほんの少しでもパチンコ屋さんの役目があればなと思ったんや。

こんな甘ちゃん路線を勧めるつもりではないのだが、このコロナ不景気でアテになるのは高齢者の年金だけだ!と言うパチ屋の偉い人を見る度に、お年寄りの憩いの場って言葉をあらためて見直して欲しいな、年配客を食い潰して、結局誰もいなくなる道には流れないで欲しいな、上手くやって欲しいなと思うばかりである。

年配客が多く座っていて下さる事は、お店の宣伝や、後からおみえになるお客様への安心感の演出にもなるし。

とは言え、市場にそこそこ恵まれてたり経営者の生暖かいご理解がないと、こんな甘ちゃん路線はOK貰えないだろうが(笑)

俺の関わる某店の社長さんは、「ただでさえコロナでワシら庶民の財布が軽くなってる今には合ってるんじゃないか」と言うて下さったから甘えていられるだけかもしれない。。

ああ、若い客は食い潰していいって話じゃないから、そのテのコメントは要らんからね。

では、また次のネタで会いましょう。

ハイディホー!!

追記)

とまぁ、綺麗ごと書いてるけど、こういう一連の作業 ~接触+聞き出し+個別対応+先を見せる+時間的繋ぎ+親近感~ ってのは、パチンコ屋さんに限らずお客さんを店に依存させる常套手段でもあるが、こういうのは、従来の「店員からお客さんに話しかける」接客ではほぼ無理。

お客さんってのは、近づいてくる者を警戒するからね。

そこで、コミュニケーションの向きを逆にする工夫が必要なんだが、それは気が向いたら書くわ。

寄稿者紹介

チャッキー氏

<プロフィール>

ホールも含めた、多業種の営業コンサルタント。

ぱちんこ業界を冷静に観察/分析しつつ、基本的には厳しいスタンスで臨む論客。