流行り歌を時代の栞に

今年の一曲と言えば『香水』ということになるのだろうか。私は営業時間外のホールで流れている有線でイヤになるほど”聴かされた”ので、正直言ってもう十分である。

ヒット曲が時代を代表しなくなったのはいつからで、一体なぜそうなったのか。私は歌詞に並ぶ言葉から土地性や具体性が無くなった頃からそうなったと感じており、それと同時に大晦日の夜の恒例行事であったNHK紅白歌合戦は魅力を失ったように思う。

つまりは、せいぜい1990年に入った頃までが人口構成上のある年代とヒット歌とが強く紐づいていて、同世代ならばその歌が流れているのを聴けばみな、当時自分がどこで何をしていたかどのようなことを考えて生きていて世の中ではどのようなことが起こっていたのか、時代の雰囲気までもつぶさに思い出すことが可能だったのではないか。

もちろん今でも、そのような歌はあるのかも知れないが、今の時代の雰囲気を代弁したり特定世代の人たちの人生に栞のようなものとして挟み込まれるような存在感を持っているものは、そう多くはないように思う。なにも、歌は時代と結びついているべき、とまでは言わず、ただリズムを刻むだけ、漂うだけのような歌も当然あって良い。人は反復に酔う生き物であるし、どこかの地名や物・人・事柄がひたすら明示された歌は重ったるいし野暮ったいというのもまた事実だろう。

都内の新型コロナ陽性者数が1,300名を超えた大晦日の夜。嫁さんはおせち料理を摘まみながら、兵庫でアパレル店舗の店長をやっている知人が歳暮で送ってくれた日本酒を氷で薄めて飲み、ダウンタウンの番組で笑い声を上げている。

その傍らでは犬が、ph.コントロール機能があるドライフードを自家製の野菜スープで柔らかくして、その上に香ばしく焼き上げた鶏ひき肉をまぶした晩御飯をつい先ほど美味しく食べて、とても満足そうに寝っ転がっている。

そして私は、少し離れたデスクで私的な動画の調べ物をしながらこの文章を書いている。ふと思い立って調べているのは、高倉健が主演した名作『駅-STATION』だ。先日知人と雑談に興じた際に、『夜叉』『冬の華』『駅-STATION』のどの作品にどの役者が出ているかはっきりと覚えているかどうか、という話題になり、ビートたけしはどれに出ていたか、根津甚八は、といった風に記憶が不明瞭だったため、習慣のようなものでこの際しっかりと確認しておこうと思ったのだ。

やはり高倉健は、寂れた町の雪の中を上着の襟を立てて歩いているのが実に良く似合う。この映画の舞台となっているのは1970年代の北海道で、1979年の大晦日からクライマックスへと向かっていく。倍賞千恵子が演じる桐子が女手ひとつで切り盛りする小さな居酒屋で、ブラウン管TVから紅白の歌が流れて来る場面が印象的だ。様々な想い出が行き過ぎる中で彼女が口ずさむのは、八代亜紀の『舟唄』だ。

子供の頃は、親も知っているくらいだからどうやら時代を代表する名曲らしいな、作り手も歌い手も有名な人たちだな、くらいの印象であったが、今こうして改めて聴いてみると心に沁みる本当に素晴らしい歌であった。

このブログはパチンコ屋のブログだから、雑談とはいえ最後は、ぱちんこ業界の話題で締め括るとする。

私は機縁あってこのようなブログを運営しているため、業界において、いつ何があったか、どのような行政講話や通知が出されたか、時期と出来事とが結び付いていて、かなり昔のことでも記事を書く時はもちろん日々の業務上や本社役職上困らない程度には覚えているが、1年365日無休でしかも当地で許されるフルタイム営業で毎日忙しく過ごしている業界人だと、記憶が不明瞭な時期や物事も数多くあると思う。

しかし、誰しもが鮮明に記憶しているのが、2011年の東日本大震災当時の事であり、この2020年も新型コロナ第一波当時の社会全体における異様な雰囲気や先行きへの不安感と共に、忘れられない1年になったことと思う。

まだまだ厳しい状況は続くだろうが、ユーザーも含めパチンコスロットに関わる皆で、今年よりはもう少しマシな2021年になるように、またもう少しマシな状況を創り出せるように、前向きな気持ちで一緒になって頑張って行ければと思っている次第である。

楽太郎

Posted by 楽太郎