「準新台」と「メインタイトル機」を如何にして延命するかが鍵

2020年12月15日

ホール側がまとまった台数で導入したり初販から適当期間が経っても市場全体において設置台数規模を維持し続け、更に常に適当水準以上の営業数字(売上・稼動・粗利)を期待される機種を指して”メイン機”と呼ぶが、その条件を満たすものがこの12月に既に3機種登場し漸次設置が進んでいる。P大海4スペシャル、P北斗無双3、Sアイムジャグラーである。今回は、これら3機種について、ごく簡単にではあるが所感を述べたい。

まずスロットに関しては、いかに新作ジャグラー或いは2021年1月に登場する新作ハナハナといった十数年に亘りメインの座を張り続けて来たタイトル機であっても、払出性能減という如何ともしがたい事情のマイナス影響を避けることができないため、2021年12月に新規則機時代に完全移行するまでは、メイン機の呼称に見合うだけの存在感やパフォーマンスを期待するのは酷すぎる。

次にパチンコについて、新作であるP大海4スペシャルがどうこう以前に、まず”海系機種”について「海は年配稼動でもっている店舗が多い」という従来的な事情をそのままコロナ禍に喘ぐ現状に当て嵌めれば最も大きな影響を受けるのはこのタイトル機であるはずだ、ということになる。しかし、4円パチンコ全体の稼動がこうも低い現状ではどの属性やタイプ機が最も大きな影響を受けているのか査定するのがまず難しい。

現に導入開始から4週以上経った時点で30,000個以上の”現況における高稼動”を維持し続ける新機種は極端に少なくなって来ており、ここだけを見れば「新機種の初動が大きくレベルダウンしている」と見え、ハイミドルタイプにおいて直近ではPとある魔術の禁書目録が新機種としてどうにか踏ん張っているのみで現時点で13,000個水準のPゴルゴ13やPルパン復活のマモーは既に初代北斗無双の稼動水準(20,000個水準)を大きく下回っている。

では、いわゆる”準新台”はどうかと言えば、この括りに入る機種の事情は新機種の稼動水準減よりも深刻である。先日公開した別記事でも触れたが、順次新たな新機種が登場するに連れてこれら準新台の稼動水準は”急落”する傾向にあり機種寿命が短くなる恐れが高まっていると言える。つまり、絶対的な客数が増えていないためどうしても遊技客は”店内移動”するのみで、真新しい機種が出てくればそちらを遊技し、売上の水準が下がった状態で粗利の水準を維持しようとし運用レベルが下げられた準新台には見向きもしなくなる。これを言い換えれば、準新台や導入開始から更に日数が経過した既存のメインタイトル機でも、例えばRUSH性能や演出等に魅力がありしかも高粗利体質で使い勝手が良い(=損益分岐回転数が高めであり、ホールにとって”抜こうと思えば抜け、回そうと思えば回せる”設計値であること)という条件が揃っていて、これが運用レベルを維持されれば稼動水準の下降を一定水準で留め置くことは十分に可能、ということになる。

具体例では、P大工の源さん超韋駄天は2020年10月下旬から11月下旬にかけての増販の影響(30,000台から40,000台規模へ)によりユーザーから絶大な支持を受けているという数値ではなくなったものの、現況においても22,000個水準の稼動を維持している。これには、エリアで強い営業力を有している上位店舗が徐々に設置台数を増やし島・コーナー単位(およそ20台水準)でメイン機扱いし運用レベルも相応のもので臨んでいることが奏功しているからだと推察される。同機は販売予定台数が完売したと仮定すれば12月下旬にかけて更に50,000台規模まで設置台数を増すことになるが、累計粗利から推測すると10月1週目の増販(10,000台規模)の際に初めて導入した店舗でも12月中旬には機械代分の粗利を作り終えている計算になるため、過度に運用レベルを下げる必要性は無くなっている。

韋駄天のように設置規模が大きい既存のハイミドルタイプ機がまともな扱いを受けて存在感を維持し続けるというのは、ホールはもちろんユーザー側にとっても歓迎すべきことと言え、これ以後日常的に触って貰えるように綺麗な釘の状態で運用する店舗がより一層増えるものと見通す。

こういった観点で、冒頭で挙げたP大海4スペシャルとP北斗無双3を見ると、まず大海に関してはメイン機として長期設置される宿命にあるため現行の海系ハイミドルタイプ機の稼動牽引役であるCR大海4MTB(15,000個水準)、CR海物語3R1(同左)、CR海物語IN沖縄4MTC(13,000個水準)、CR海物語IN JAPAN MTD(同左)、CR大海スペシャルMTE15(12,000個水準)に加えて海系ライトミドルタイプで頭一つ抜けた支持を受けているCR大海ブラック(16,000個水準)といった面々と比較した際に見劣りしない稼動を維持できるかどうかに注目が集まる。これは海系の定型句のようなものだが、海物語というタイトル機に関しては新機種というよりは”新作海”という括りにあたりジャグラーと同じく初動がどうこうというよりは如何に長く設置しておけるかに重きを置く向きがあるため、私としても現時点で良し悪しの評価を付けることはしない。

最後に北斗無双3であるが、直近で登場したメインタイトル機の中でおそらく同機が最も多くの外的要因による稼動への影響を受けることになる。それは第一に前述して来た通り後発の新機種導入による影響、第二に既存の初代無双の影響、第三に他の遊タイム機種による特に開店直後~日中稼動への影響である。そして第四として、同機に内在する不安要素として”回せない”という事情が絡んで来るため、結論から言えば台粗利2,000円前後で我慢することが可能な店舗でなければ、いわゆる”旧MAXタイプ機時代”にホールを彩った他のメインタイトル機(ここでは牙狼やルパン、エヴァを念頭に置く)と同じように存在感をより早期に失う可能性が高いとみる。

同機の運用レベルに関しては、全国的に主流である27.5個~28個交換店舗(損益分岐割数=11割~11割2分)であれば千円あたり17回程度(回転率 5.00前後)で前述したような”ホール側としては我慢している水準”になる訳だが、これは期待値稼動層ではない一般のユーザーにとってはとてもではないが遊び易い運用には感じられないため、両者の認識において大きなギャップが生じる。

ここに更に遊タイム機能のホールでの支持状況を加えて考慮すると、現時点では同機能に理解がある期待値稼動層つまり「朝一から来店出来る」「適当な回転数を追い駆けるだけの資金がある」「ある程度釘の状態を査定出来る」ような、敢えて言えば「若者層」が支持する現状であるため、彼らからより良い状態の台をピンポイントで拾われるだけの島・コーナーになってしまうか、それを嫌ったホール側が運用レベルを下げてしまい稼動を飛ばしてしまう未来図が見える。

今はまだ新台期間であるためユーザーの優先度も売上の水準も高いから良いが、本稿の話の軸にして来た準新台へと位置付けが下がり、それ相応の売上水準に低減するも「粗利水準だけは維持しよう」と考えてしまうと運用レベルが大きく下がる事になり短命化に拍車がかかることになる。

まだ登場したばかりでこのような見通しを述べることにホール関係者としては気が引けるが、私としてはこのことをとても憂慮している。

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P真・北斗無双 第3章

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