エリアの下位店舗や廃業一直線の弱小店なら「冬季賞与~年末年始商戦で確率1/319タイプ機をブン回せ」

ここ1ヵ月ほどのパチンココーナーの機種配置に関しては、幾分皮肉交じりに述べれば普段リニューアルだ、リフレッシュだと謳ってイベント営業しているのよりも余程それらしい様相を呈している。つまり、ある程度の期間はしっかりと営業貢献することが期待される機種が設置される傾向があるいわゆる”メイン島・コーナー”における大規模な導入・撤去・移設が進んでおり、それと同時に運用レベルの大きな上下動も発生しているからである。

そのため、例えば専業層などは10月初旬から11月初旬にかけて、普段使いしている店舗はもちろん巡回チェック対象の店舗だけでなくエリア内の店舗を念のため一通り見て回ることで、改めて食える・食えないの査定を実施したり今後の稼動計画を練り直していることと思う。

これはホール側にとっても同様であり、まずは自店の設置機種についてバラエティーコーナーも含めて改めて検定・認定期間を確認したり、直近月の売上・稼動・粗利の3要素で構成されるざっくりとした指標としての”営業数字”に基いてパフォーマンス精査したり、当該機種に対して日頃からどの程度の客数が付いているのか会員データや現場目線で割り出しつつ機種構成に見直しを掛けている。

また、競合店に対して事細かく分析をかけるような店舗においては、スタッフによる頭取り精度を上げて臨んだり、そのような普段の頭取り或いは調査分析代行サービス等に任せきりにせずにパチンコ機の運用権限がある役職者や責任者クラス自らがエリア巡回して釘の状態について時に自店と見比べながらチェックを進める時期にあたり、いよいよ”冬季賞与~年末年始商戦”に雪崩込んで行く気配が色濃く漂っているように思う。

こういったことについて、専業者のように立ち回ったりホール事情を勘繰ったりなどそこまで細かいことまでは考えずに楽しんでいる一般ユーザーの方々に対しても分かり易く述べれば、仮面ライダー轟音や真牙狼が思いのほか多く導入されたり、当初4~5台規模であった韋駄天がいつの間にやら島・コーナー規模に拡大していたり、遊タイム機能搭載機についての詳細な説明ポスターが増えたり、これまでは主にスロット(イベント)告知に偏重していたかのように見える店内外告知物やSNS発信がパチンココーナーも大々的に扱うようになったりという具合いに、様々な場面で従来とは異なるパチンココーナー運営や営業手法を行うようになっているのを地元の店舗にて見て取れるだろう。

この変化にはいくつかの理由があるが本稿では、まず第一に前述した通り”時期的な理由”を、そして第二に”スロットコーナーとの力関係の変化”という観点から、ごく簡単にではあるが解説を試みたい。

そして、この解説の”ついで”に、エリアの下位店舗ならびに今や全国各地で急増しているであろう”営業継続について既に戦意喪失してしまっている小規模店”に対して、僭越ではあるが文末にて、表題にもある通りひとつ具申したい。

それでは、パチンココーナーの機種構成や配置等の大きな変化が起こっていることについてだが、まず第一に時期的な理由について。

これはホール営業のセオリーとして特に会社員層の懐具合が温まり且つ余暇を過ごす場所のひとつとしてホールを選択してもらいやすい冬季賞与~年末年始時期に、平時よりも高い水準の営業数字(特に粗利)を残したいと考えたり、この機会に新規客を獲得したいという狙いでそれ相応のパチンココーナー運営計画を練る店舗が大多数だからである。

そのための施策として伝統的な手法は、当座で出て来ているヘビー級のタイプ機の話題機をしっかりと導入する、というものである。ヘビー級の定義としては、遊技機の現行規格上で最も確率帯が重めでリターン期待値も高いタイプ・スペック機、といった理解で構わない。

例えばそれは1990年代後半から2005年くらいまでは確率1/315前後のフルスペックミドルタイプ機だったし、2006年から2016年くらいまではいわゆる旧MAXタイプ機だったし、今では業界内区分では”ハイミドル”に該当する1/280~1/320という確率帯のタイプ機ということになる。

これを効果的に配置し運用することでまとまった売上と粗利が期待できるようになり、状況によっては出玉が伴いそれが更に稼動を呼び込むという好循環をもたらす。実際、エリア内で強い営業力を有している店舗ほどハイミドルタイプ機を高めの比率で良運用し終日適当な稼動を得ている一方で、営業力が弱い店舗の場合は4円パチンココーナー全体がバラエティーのような機種構成になっており、まとまった営業数字を作り難く、また今では結果論としての意味合いが強いが仮に”当たり機種”が登場した際には導入すら出来ていなかったり設置台数が1台しかなく集客機会を逸してしまう(当然そういう機種は中古価格も高いため手が出せない)といったような状況になりがちである。

ここで誤解してはならないのが、後者のような営業手法は必ずしも悪くはない、ということである。機械代に代表される店舗運営費用はなるべく低く抑えなければならなかったり、特定機種を多台数導入してその機種の使い勝手が悪かったりどうにもユーザー支持されない場合に難儀しないようにというリスク回避の観点からも、このようなパチンココーナー構築手法は否定されるべきではない。しかし、これは経験上でもあるがやはり強い店舗というものはヘビー級のタイプ機の運用に長けており、いかにコロナ禍に見舞われた今年の状況であっても、例年通りこれからの時期は同タイプ機の設置比率が高まって行く可能性が高いと見る。

参考までに、直近月でのタイプ別設置比率の全体データと、私の営業エリアである東京のデータを併記すると、下表のようなものになる。

全国都内
ハイミドル(確率帯1/280~1/320)40%前後45%前後
ミドル+ライトミドル(確率帯1/120~1/280)25%前後23%前後
ライト+ミニマム(確率帯 ~1/120)35%前後32%前後

表には役物抽選機に代表される特殊なジャンル機は含めていないのと、こういうものはいつ集計したかで若干変動するため、あくまでも参考程度に留め置いていただければと思うが、後段でこれから述べる理由も関係して、ハイミドルタイプ機の設置比率はおそらく約半年後にあたる2021年ゴールデンウイーク時期にかけて50%前後の水準まで上昇するものと見通す。



次に、第二の理由としてスロットコーナーとの力関係の変化について。

これについては、10月中に公開した記事において簡単にではあるが言及している。

「8年ほどは4円パチンココーナーよりも20円スロットコーナーの方が高い水準の粗利を稼いでホール運営に貢献していたが、この構図はおそらく2020年10月から12月にかけて完全に崩れることとなり、スロット開発上の解釈基準・内規が劇的に変更されない限りは数年単位で4円パチンココーナーの粗利貢献度がより勝るという時代に戻ると推察する」

「(ゴッド凱旋と沖ドキ)両機にはスロットコーナー粗利の1~2割を依存している店舗が多いと推察するが、その”補填”をどうするのかは喫緊の問題である」

「早ければ今月中に、遅くとも全国でゴッド凱旋と沖ドキが撤去される11月から来年の1月にかけて、パチンココーナーの方により多くの負荷が掛かることとなり、それは運用レベルの低下として現出するものと見通す」

【参考】『冬季賞与~年末年始商戦に向けての雑感』

多くの店舗において、スロットコーナーの粗利水準の目減り分を4円パチンココーナーで作る試みが主流になるだろうと思われ、それは既に10月1週目から11月1週目にかけてP真牙狼、Pエヴァ決戦真紅、P学園黙示録弾丸、Pルパン三世マモー、Pとある魔術の禁書目録、Pゴルゴ13疾風などのハイミドルタイプ機がそれぞれ10,000台以上の水準で導入され、今後も12月初旬から新年初回の新装開店時期にかけてP大海4、P北斗無双3、P冬のソナタ、PタイガーマスクW、Pリゼロ、Pアナザーゴッドポセイドン、Pコードギアスなどが納品待ちとなっており、特に大海4と北斗無双3はインパクトがある規模で設置が進むことが予想され長期運用の宿命を負っていることから、これらの運用レベルがどの程度のものになるかによって店舗の懐具合や取り組み姿勢を推し量る際のバロメーターになると言える。

このことについて、前段でも触れたエリア内における序列に応じた島・コーナー作りという観点で言えば、営業力が強い店舗は当然新機種として最速導入して来る訳だが、緊急事態宣言解除後の諸々の業界事情が落ち着いてそれと同時に中古市場もある程度は値動きの想定が可能な状況になっていることから、営業力(平時の集客力と換言しても良い)が弱い店舗目線では別に新機種導入に拘らなくても、1~2ヵ月経てば半値程度で流通する機種も多いことが見て取れるため上位店よりも遅れて同じ機種を導入しそれによって新規則機化を進めるという動きになる。

要は、コロナで大変な思いをした一年ではあったが、目下の流れとしては例年よりも機種ごとの設置期限を厳密に考慮し機械代に対してより一層シビアになる必要はあるものの「メーカーはどうにか部材を調達してハイミドル機中心にリリースし、冬季賞与~年末年始商戦を睨むホールを相手にまとまった売り上げを作る」「ホールとしては、世間一般に一時所得や余暇が発生しやすい11月中旬から年始にかけて、しっかりとした粗利が作れるように取り掛かる」という”例年通りの動き”になる。

しかし、例年とは異なることとして、メーカー側は新機種販売時の価格を昨年同時期よりも上げて臨んでいたり値引き適用条件を難化させていること。営業数字作りを考えた際に、スロットコーナーの柱であった主要機種の撤去により、粗利主眼での営業以外の選択肢が無い店舗も増えていると予想されること。会社員層のボーナスマネーの目減りが大きいものになり余暇の過ごし方にも影響が出るだろうと予測されていること。感染拡大防止の観点から、政府や自治体が年末年始の過ごし方について外出を控えるように要請しリアル店舗型の営業施設には客足が遠のくような状況になり得ること。それと関係して商戦自体がレベルダウンしたり、特に警戒感が強まっている北海道などのエリアでは最悪の場合は商戦が発生しない可能性すらある、といったことが挙げられる。

これらのことを総合的に考慮すると、エリアの上位店舗であっても例年よりも粗利を強く意識した機種運用、特に稼ぎ頭としてのハイミドル機運用になる可能性が高まると推察し得る。

ここで視点を変えて、エリアの下位や序列外の店舗、もっと言えば地元ユーザーからは”廃業予備軍”と目されているような店舗にとっては、例年であれば不動の地位を堅持していて揺らぐ気配すら無いようなエリアの上位店がコロナのダメージと中小店舗よりも多い台数規模での入替による機械代負担増、そして前述した例年とは異なる状況下でメイン島・コーナーでまとまった台数の運用レベルを下げて”無難な”営業に終始した結果、地元客の支持を一時的にせよ失う時期にもなり得ると考える事ができれば、その逆の一手を打つことにより現況を打破する契機へと転化し得るとも言える。

このような理由で、表題では乱暴な表現になってしまったがエリアの下位に甘んじていたり仮に現時点で廃業一直線の弱小店なのであれば、このまま”普段通り”の営業をしていたのでは”どうせ結末は見えている”のだから、状況改善や起死回生の方策として”確率1/319タイプ機をブン回せ”というのが、おそらくは同じような立場にある中小ホール企業所属である私からの提言である。

運用レベルについては、個々の店舗ごとに都合良く解釈していただいて構わない。釘確認シートを考慮するのは勿論としてその範囲内で技術を凝らして本当にブン回しても良いし、自店の交換個数と同等の水準にしてユーザーと確率・理論値上の勝負になるようにしても良いし、上位店の運用レベルを調査してそれ以上の水準を維持しても良いし、どれも難しいなら平時よりも高めの数値になるように、若干のボーダーマイナスに留めるように配慮したりといった具合いにである。台数規模にしても、小規模店にしては珍しく4~5台設置している機種があればそこでそうするのか、バラエティー島の数台を日替わりとまではいかずとも良運用するのか、いずれにせよ”今までやっていなかったレベルで実行する自店で精一杯の取り組み”なのであれば構わない。

注意すべきは、今のユーザーは”圧倒的な違いにしか気付かない、評価対象にしない”向きもあるという点だろうか。これは設備機器についてもそうだし、接客やサービス提供など営業に係る物事全般について言え、当然機種運用レベルについても同じ見方が適用されがちである。なので、地元ユーザーがいざ玉を弾いてみて「これは普段他の店で打っている台とはレベルが違うぞ」と驚いたり、喜んだり、何故こんなに回ったり玉持ちが良いのか思わず盤面をじっくり見てしまうような、要は五感を刺激して印象に残るくらいでなければならないかも知れない。

しかし、普段ならそのような”不感症”な傾向があっても、コロナ禍に見舞われた今年は少し事情が違っていると推察する。つまりは、前述したような理由でエリアの最上位店も地方大手も例年よりは厳しい機種運用の冬季賞与~年末年始時期の運用になる中で、もう少し遊べる運用の店舗はないのかと地元ユーザーが複数店舗を見て回る中で”発見してもらえる”可能性が生じ、そういった店舗との比較上これなら遊べる、マシな営業だと良評価される得難い機会になるのではないかと考える。

実際、私もまた、さすがにひと島・コーナー全台でそのように運用するのは難しいとしても、日々より多くの台数規模で遊べる運用レベルの台を趣向を凝らしつつ用意している。普段から述べているように、専業層が生活できるくらい勝ち続けたりはできないが、地元ユーザーが日々適当に勝ったり負けたり、出したり飲まれたり、店側に文句を言ったり今日は遊べたと喜んだりと、”そんなに悪くはないパチンコ屋”であるように心掛け営業現場にその考え方を反映させているつもりである。

そのような立場から見ると、釘の状態が一見して悪すぎてこれでは打つ気が起こらないようなパチンココーナー運営に終始している低稼動店を見るにつけ、稼動しても「当たらないでくれ、出ないでくれ」と祈るような遊技場としては本末転倒な状況で毎日営業しまるで座して死を待つような運営になってしまっているのではないかと何とも言い難い虚無感を憶えてしまうため、なんとか踏ん張っていただきたい、エリア状況を注視しつつまだまだやれることはあるのだと発信したく思い、今回このような内容で拙文をしたためさせていただくことになった。

以上、冬季賞与~年末年始商戦にかけて、パチンココーナーの島・コーナー構成における機種配置と運用レベルに大きな変動が起こるだろうということについて2つの理由を挙げつつ解説し、最後に営業状況が悪い店舗に向けてひとつ具申させていただいた。

今まで通りの営業手法で駄目だったから今の店舗境遇に甘んじているのだと考えると、普段は絶対的な強者として君臨している大手ですらも厳しい今年の特殊な事情を”利用”して、エリアの下位店におかれてはここで是非思い切ったアクションを期待したいと述べて本稿を締めさせていただく。

楽太郎

Posted by 楽太郎