新宿の夜に秋雨の降る-10月中旬のホール営業雑感

昨夜眠りにつく前に、明け方には既に雨が降っているだろうと見定めた空模様は一面曇天で、だがやはり何なら今にも降り出しそうな気配も漂わせていた。

”縄張り”の見回りに出掛けようと誘う犬と、今朝は止めておこうとなだめる私は自室の真ん中あたりで向き合い、ここ最近ポンド/円の上下に気を砕いた嫁さんはつい先ほどまで長期スパンでのトレードの自己方針を小まめに帳簿に書き記しそのまま毛布に埋もれるようにして疲れ切って寝ていた。

犬との攻防戦は結局私が勝利し、散歩には行かない代わりに我が家では”生贄”と呼んでいる縫いぐるみを使って15分ほど引っ張りっこで遊び、疲労した犬は水を沢山飲んでご飯も食べて満足したようにフローリング床で体をクールダウンさせていた。私もその後軽めの朝食を摂り、股引を穿くにはまだ早いが身を縮こませる程には十分に肌寒い6時半の街を速足で駅へと急いだ。

梅雨の頃から夏にかけて萌え盛った線路沿いの背の低い草木は10月中旬の今一斉に瑞々しさを失ったように見え、方やこれから速度を上げて次の駅へと向かい、他方は然るべき位置にドアが来るように慎重に速度調節しながら駅に入って来る2つの電車が動かした風によって、前後左右へと大きく枝葉を揺らしている。

東京の朝の電車は7時台にもなると乗客が一気に増え、つい半年前まではコロナで戦々恐々としガラ空きで運行していたのが嘘であったかのような車内状況にもなる。中にはマスクを着けずに鼻をすすったりしているためか周囲から少し間隔を空けられている人も居て、そろそろ自己防衛・他者への配慮の意識差も大きくなって来たように見受けられる。

ホール営業の現場では”コロナ以前”を2月とした際に約8割ほどの稼動水準で頭打ちとなり、全国各地のエリアで強い営業力を有する法人・店舗であっても欲しい粗利の7~8割を作れていればまともとされるような状況である。

ここ最近は、社用で上野・池袋・新宿・渋谷界隈に出向く機会があり当該地の営業状況をチェックする機会が多かったのだが、ユーザーの動向について概して述べれば、給料日直後や年金支給日、よく晴れた土日のように本来であれば営業のプラスになるような要素に対しても以前のようにダイレクト且つ持続的に稼動面でのプラス効果が表れておらず、その反対に給料日前や天候不順のような営業にとってマイナスになるような要素には敏感に反応して大きく凹む傾向があるように思う。

新規則機の設置比率が低い法人・店舗にあっては、やはり厳しい経営状況下で値引き条件を難化したり定価を上げて販売せざるを得ないメーカーから随時新機種を購入しつつ、上下動が大きく特にパチンコ機においては新規則機というだけで適当な機種でも20数万円の価格を維持している中古市場において日々値動きを注視しつつ設置比率を漸次上げるように取り組んでいるため、機械代の予算立てや遊技機の売買には神経質になっている。

営業規模が大きい店舗やエリアの盟主と目されているような店舗は、ユーザーが好む機種をより長く且つ多様に取り揃えておくことを期待されていることから営業数字を見ながらなるべくそれに応えられるように配慮している。他方、小規模店舗やエリアの序列争いにそもそも興味が無い店舗の場合は、自店の常連客がいかに旧規則機を好もうとも自店のペースで新規則機化を進めることしかできないため、買える時に買うという方針でマイペースに今の時期を過ごしているようにも見受けられる。

特にスロットコーナーの集客面ではコロナ禍で減った客数をイベント営業で引っ張り合う構図となり、仮に直近の全国的なデータではスロット稼動は8割方回復と出ていても広告宣伝について法令・業界内の申し合わせを順守する店舗ほど苦戦を強いられておりとても8割などは稼動させられない状況が続いている。

目下の”凌ぎ”が厳しく今後の見通しも芳しくない中で、専業層や来店頻度が高いユーザーほど何かしらの”手掛かり”を発信してくれる店舗を贔屓にするのは道理であり、これについてユーザーが支持するから逸脱店舗が出て来るとするのは間違った考え方である。

ユーザーは社会常識とハウスルールを守って遊技してくれさえすれば良く、業界が置かれている状況を具に把握したり営業に対しての過度の忖度などは不要である。また、ユーザー側に対して過度な理解を求めたり行動をみだりに制限するようなことばかりしていたのでは、遊技人口は尚も減少することは明白である。

そういった事情を考慮しつつ、私としてはあくまでも「地元民・常連客がいつ来店しても適当に勝ったり負けたりしながら遊べる”パチンコ屋”でありたい」という願いで事業計画を練り、その理想を営業現場に反映させるように日々努めている次第である。

楽太郎

Posted by 楽太郎