その接客がお客様を飛ばす

寄稿文

ハイディホー、チャッキーだす。

俺の客先のライバル店の話。

ライバル店と言うても、俺の担当店よりランクは下なんだけどね。

自粛開け後の初めての入れ替えで、お店もお客さんも少し気が晴れるかなって中での、新装開店日。

俺がライバル店に入った頃も、新台も半分くらいの客付き。

パチスロコーナーをふと見ると、一台だけ筐体の飾りランブの色が違う。

こりゃ工場出荷状態やんけ。

俺も一応、パチンコ業界に席を置く身だから、友好モードで店員に声をかけた。

俺「これ、初期設定状態だよ」

馬鹿店員「あん? 設定なんか教えるわけないだろ(原文ママ)」(会話不成立)

おお、ご立派な態度やんけ、と、心が瞬時に敵対モードになった。

こりゃ、放置してトラブルになった方が面白いな、火に油注いだろと。

パチスロ機の出荷状態の事を知っているお客さんなんてまだ少ない。

ランプの色の違いなんて、意外と気にならない。

通路を挟んだ隣のジャグラーコーナーで打っていると、その台に金を入れてた何人目かの遊技客がイライラした様子で、先刻俺に喧嘩打った店員に噛みついた。

客「これ、さっきから全然子役も揃わないんだけど」

馬鹿店員「はぁ? 当たんないのは運ですよ、運」(会話不成立)

俺、颯爽と登場(笑)「それ、初期設定のし忘れ。工場出荷状態の無抽選状態。一億回回しても当たんないよん。俺、さっきアンタに言ったよね」

これで客の怒りがヒートアップ。(狙い通り)

その後、この客の前に打ってた別の客や店員も参加して揉みあいに。

店長が登場してきたので、改めて「このアホ店員に出荷状態の事を教えたったけど、シカトしよったんや」と事情説明してやった。

人の米びつに砂撒くのは楽しいよ(鬼畜)

このアホ店員が、俺の話を聞いて台を止めて店長に確認すれば何の問題にもならなかったケースだ。

それ以前に、客の話に「はぁ?」と答える段階で接客業アウトだろう。

人手不足か何か知らんけど、この店員の態度が、これまでどれだけの来店者を不快にし、店の不来店動機になったか計りしれん。

「あの店員さんがいるから、あの店に行く(来店動機)」になるよりも、「あのクソ店員がいるから、あの店には行かない(不来店動機)」になるケースの方が圧倒的に多い。

ちなみに、アイドル店員さんですら、「客と喋ってばかりでランプ対応が遅い」「ほかの客と癒着して設定を教えてる(いいがかり)」と不評を買うケースがある事は、店側は忘れちゃならない。

パチンコ屋さんだけじゃなく、客というのは「嫉妬深く、猜疑心が強く、揚げ足取り」だと言う事は肝に銘じておいたほうがええ。

ちょっとした事で誤解され、反感を買う。

店員の一挙手一投足、ちょっとした言動が、来店者に気分よく金を使わせる事も、二度と自店に来させない動機にもなる。

いくら新台を入れたり、玉をちょっとくらい出したり、何か施策を講じたとして、それを効果的に膨らませるのも台無しにするのも、店員の影響は大きい。

こういう話を書くと、必ず「店員なんかどうでもいいんだ、玉を出せ」と噛みついてくるアホがおるんだが、パチンコ屋さんに限らず、来店するお客さんは色々で、来店動機も色々なんや。

「店員なんか、どうでもええ、玉を出せ」という俺みたいな来店客もおれば、たとえ比率は少なくとも「〇〇ちゃん、〇〇くんは元気かな、頑張ってるかな」というお客さんもいれば、「巨乳店員を拝みに行くか」というお客さんもいてはるんや。

一部では毛嫌いされてる来店マンやタレントさんを見に来るお客さんもいてはるんや。

日頃来店マンに興味の無い俺ですら、五十嵐マリア様が来たらほいほい行くからな。

そういう、色んな来店動機の選択と積み重ねが客数とか稼働とか売り上げになるんや。

昔のパチンコ屋の店員は、どちらかというと用心棒的役割が大きかった。

アホな客を放り出すのが仕事の大半(笑)

後は、遊技機や設備の手入れが上手い者が重宝され評価されていた。

接客? 何それ美味しいの? というのがパチンコ屋だった。

平成に入り、ピアさんやピーアークさんなど一流企業が客をお客様として扱う接客スタイルを取り入れ広まった。

来店客に「いらっしゃいませ」「有難うございます」と言う日が来るとは思わなかったと年配の従業員は愚痴ったものだ。

今では、店員の役目は遊技客に金を遣わせる事になった。

同じ風営法下にあるパチンコ店員は、4号と1号の違いはあれど、キャバクラ嬢やホストと同類である。

そういえば、今流行りのアイドル店員も、顔出し出勤表出しランキングと、すっかりキャバ嬢である。

客を呼べる従業員が偉い。

客あしらいが上手い従業員が大事。

そんな時代なのである。

今、広告宣伝規制や遊技機スペックダウンなど逆風の中、店員を呼客の道具として活かせるか否かというのは、営業の大事な要素になっている。

先のアホ店員のような、客を不快にする奴は不要なのだ。

そうしたアホ店員を、頭数として妥協して雇っている場合じゃないのだ。

客が呼べなくても、せめて客を飛ばさない程度の質が必要なのだ。

シフトが埋まれば良い、店長がホールに出なくて済むなら良いというレベルの話ではなくなっているのだ。

俺は依頼されたら、依頼主にすら内緒で一日二日程度前乗りしてお店に行き、店員を観察させてもらっている。

先にも書いたが、入れ替えとか施策を膨らませてくれる子達か台無しにする子達かを見極めないと下手を打つから。

遊技機の事、景品買取所の場所、その他いくつかの質問をしたり言いがかりをつけたりして、店員さんの反応を見たりする。

で、レポートにまとめて依頼主や店長さんに面会して確認するんだけど、俺が依頼を受けるようなお店では、店を仕切る店長さんは、案外と自店の店員レベルをご存じないか錯覚してるのが殆どである。

皆、自店の従業員は愛想良く、親切で、来店客と問題なくやっている優秀な仲間だと思っている。

従業員だって世渡りはする。

店長が見てると思えば、ニコニコ&ハキハキ&テキパキと動く。

その姿しか見えていないかもしれない。

人間の目は、見たい物を見たいように見る。

そして、物事の一面しか見えない。

サイコロを例にすれば、人が見えるのは6面の内で多くて3面で、残り3面は見えない。

しかし、経験や知識で、「サイコロの目は裏と足して7だから・・・」と思い込む。

写真のようなサイコロだったら?

裏の目と足して7なんて通じない。

もしかしたら全部6かもしれない、いや、それどころか7とか8かもしれないし、無地かもしれない。

自ら手にとって確かめるまで分からない。

大昔、ホールに金があった頃は、ミステリーショッパー(覆面調査)が金になった。

今は、そんな業者も見なくなった。

店長さんの友達とか、行きつけの飲み屋のお姉ちゃんに頼んで客観的にお店や従業員を採点してもらうのも、たまには良いかもよん。

では、また次のネタで会いましょう。

ハイディホー。

寄稿者紹介

チャッキー氏

<プロフィール>

ホールも含めた、多業種の営業コンサルタント。

ぱちんこ業界を冷静に観察/分析しつつ、基本的には厳しいスタンスで臨む論客。