役物抽選機に代表される変則パチンコ機についての雑感

目下、前もって得られる限りでは、各メーカーのパチンコ新機種は12月下旬までの販売予定機種情報が続々と出て来ている状況である。

更にその先、まだ適合していないものや確度がとれない3月末までの予定機種も含めるのであれば40型式前後が販売に向けて動いており、適合状況が芳しくないスロットと比べると多種多様なタイプ・スペック・ジャンルの新機種が陽の目を見る時を待っておりその中には根強いファンも多い役物抽選機をはじめとした変則的な造りのパチンコ機もいくつか含まれている。

今回は、この役物抽選機・連チャンに際し役物抽選要素がある機種・盤面中央下部に始動口を配置した一般的な造りのデジパチでは無い変則的な造りの機種などについて、雑感として久し振りに述べてみることにする。

まずは、主要どころの上記ジャンル機を導入時期ごとにまとめてみる。

導入時期機種名
2018年1月CR天龍∞
2月CR悪代官
3月CRトキオスペシャル
4月CR餃子の王将5000
5月CRライジンマン
6月CR綱取物語、CR今日もカツ丼
7月CRダイナマイトキングin沖縄
9月CRうしおととら
10月CRシャカリーナ
11月P沼
12月CR天下一閃7000
2019年1月P藤丸くん4000、CRノルソル、CRキングオブダーツ、P犬夜叉
2月P蒼穹のファフナー
3月PEXゼウス、P藤丸くん6000
4月CRウルトラジャンボ
5月P天龍2400
8月Pすしざんまい
10月Pスカイレーサー、Pトキオブラック
11月P鳳凰∞
12月Pホー助くん、Pミリオンヴィーナス
2月PA怪盗おそ松、P闘将覇伝
4月Pデカビスカス
9月Pロード トゥ エデン
10月Pおそ松さんのゴールデンロード
2020年12月~2021年3月Pパイレーツオブダイナマイトキング、Pワイルドロデオ、Pスーパーコンビ
導入時期は「P-WORLD」を参照 ※都道府県により若干前後する

ざっと、このような顔ぶれになる。

実際には、これは純粋なアナログ抽選機ではなくデジパチ要素が強いとか、ゲームパチンコ的なものも加えればPホームランキングなども入るだろうといった具合いに、人により一般的なデジパチではないものやスペック違いも含めて全てリストに加えて良いのではとも考えるだろうが、ここでは役物抽選機や変則的な盤面・ゲージ構成の顔ぶれがどの程度あってどの時期に登場して来たか時系列で把握できれば構わないため、いくつかの機種は割愛した。

これらの機種の中には、2017年の春先から「短時間で遊びやすい」ことと「遊技結果の満足」を求めた仕様のジャンル機として日工組有志メーカーが「ハヤブサプロジェクト」として推進することを決めたものも含まれている訳だが、ユーザーの皆さんにとっては使いこなしている店舗が近隣に存在するか否かで、その印象に大差があることと思う。

全く駄目な店舗の特徴としては、飛び込んで初めて役物抽選等を受ける仕様であるにも関わらず、まるで飛び込んだら即時当たりが発動するかのように”過剰に警戒した”釘の状態で運用していたり、バラエティー構成で配置しているにも関わらず役物抽選機構がいわゆる”餃子型”の機種がほとんどでバリエーションが無く選定上のセンスを感じられない、といったところだろうか。

この手の機種は選定者が日常的にパチンコ遊技しているか否か、シミュレートも含めてしっかりとした運用上の考え方が備わっているか否か、またパチンココーナーにおいてどのような位置付けで使って行きたいのかというプランが出来ているか否かで、お粗末な設置状況になってしまうか使いこなすかがはっきりと分かれると言える。

個人的に社用での外出ついでに近場の店舗にお邪魔した際に軽く弾く機会が多いのだが、まるで売上=粗利にでもしたいのかと勘繰ってしまうような酷い運用の台に出くわす場面もかなり多く、鳴かず飛び込まずでカツカツと無為な音を立てるだけの台と向き合う羽目になると、ただ閉口してしまう。

その際、無制限でこのような運用にするくらいなら、もっと飛び込ませて定量か1回交換で使った方が良いのではと思う時もあるが、そういったスタッフ手間を掛けることも煩わしいのだろう。このような店舗では、大体は1台チェックしてみて運用レベルが低ければその島・コーナー内の機種は大多数が同じような状態なので、細かいところまで見る価値すらも無いというのが経験上での所感である。

このようなことを踏まえて、先発機として2016年10月にCR天下一閃4500が出て来て2018年1月のCR天龍で盛り上がりをみせた当初の雰囲気を振り返ったり、或いはハヤブサプロジェクト始動時のメーカー(団体)側の要人のコメントを見るにつけて、現在の役物抽選機や変則仕様機にはホール側の運用努力が足りないと思うばかりである。

「ハヤブサプロジェクトでは、これまでのセブン機が継続性を重視してきたため、帰宅前のちょっとした時間や、1時間程度の空き時間で満足に遊べる遊技機が無くなっている。このニーズを満たす機種を揃って出すことで、島の一角を獲得できればと考えている

2017年(平成29年)6月13日 余暇環境整備推進委員会161回理事会 6月度部会における日工組技術担当理事 渡辺圭市氏の発言

開発本部の久世壮平副本部長からは「P藤丸くん30min設定付」について、「日工組の有志によって、新規開拓を目的として、短時間で遊べて安定した出玉が獲得できる、パチンコ本来の玉の動きを楽しんでいただける機種開発を目指して立ち上げられたハヤブサプロジェクトの第1弾になります」と開発の目的が紹介され、「役パチシリーズ第1弾として、自信作になると考えています。多種多様な遊技機を、今後も日工組として、また藤商事として開発していきます」と役パチを中心に多彩な機種の開発を進めていくことが語られた。

「PiDEA.web」2018年11月6日up 藤商事の新機種発表会の内容について

ホール側の運用努力ということについて、旧時代のように大っぴらに釘を動かさないという事を前提にすればメーカー側も認めるほどに扱い辛かったカツ丼のような機種もあり、また今年の事案では闘将覇伝のように攻略知識を有して適当な精度でタイミングを計って弾けるようなユーザーなら誰でも”無限連チャン”が可能な”穴”がある機種も存在するなど、長期設置しておくのがなかなかに難しい機種も時に出て来るというのは事実である。

また直近の事例では2つ、設置傾斜によっては右打ち時に役物抽選レール上で玉留まりしてしまうという事案が多発した鳳凰と、中央の大盤ルーレット抽選役物が目を引くミリオンヴィーナスでの振り分け回転体の停止という不具合が挙げられる。

特に後者においては、ルーレットに至る前段階である振り分け回転体内部で玉が噛んで動作停止してしまうという致命的な欠陥があり、一般的な役物抽選機であれば役物抽選機構内に異物が混入したり玉留まりした際に対処可能なように小穴が空いている訳だが、同機の場合はゴト防止のための措置か完全に想定外であったかそのような造りにはなっていないため、一旦前述したような回転体停止状態になると電断してゲージ盤面を取り外し、玉が噛んでいる箇所に衝撃を加えて解消するという極めて原始的な対処をしないと復帰させることが難しい。

この不具合の根本的な解決策はなくメーカー側としても補償対象とはしていないため、仮に適当台数の販売になっていれば相応の問題にもなっていたかと推察するが、現在の設置店舗数が50店舗もない状況のため、おそらくは何事も無かったかのように忘れ去られるものと思われる。

こう見て来ると、役物抽選機や変則的な抽選の仕組み・ゲージ盤面構成の機種は、多種多様に世に出てくれればホール側としてもユーザー側としても歓迎したいものである。

しかし、立場を変えてメーカー側としては、パチンココーナーの顔ぶれがデジパチ一辺倒にならないように、短時間でも楽しめるように、玉の動きを目で追う”パチンコ本来の楽しさ”を提供できるようにと工夫を凝らして開発・販売したものの、不幸にもちょっとした不具合や攻略要素が強すぎればホール側からは営業補償や無償での部品交換を要求されたり、ユーザー側からはそういった不具合の発覚により開発・製造の”甘さ”を指弾されて評価を下げるというリスクを抱えている。

つまり、こうした事情を知れば知るほどに、ホール側の立場である私としては「アナログ要素がある機種をどんどん造って欲しい」とは言いにくい状況になっている。

何らかの不具合が露見した際に、近年ではそれが早期且つ広範囲に拡散され易いような環境ということもあり、例えば当初の企画・開発初期段階では役物抽選機であったものが、いわゆる”ガチ抽選”ではなくあくまでも大当り・連チャンを視覚的にアナログ演出するための装置として”改良”されたような機種も見受けられ、それは直近ではこれから出て来るタイガーマスクが挙げられる。

このアナログ演出上の仕組みは、開発側としては当初ガチ抽選の仕様を念頭に置いて造っていたが、先に述べた闘将覇伝における技術介入での連チャン継続打法の事例を考慮せざるを得ず”無難な改良”を施して型式試験に持ち込んだような造りになっているのが見て取れる。

また、来年に出て来る見通しのPスーパーコンビについては、8月時点での情報では払出ベース7,000個を念頭に置いたセット物という造りで開発中とのことで、おそらくは天龍などが撤去された後に役物抽選機・変則機コーナーの一角を占めることが予想される。

これ以外にも、前掲の表で示した通り直近で出て来るダイナマイトパイレーツや年末にかけて出て来るワイルドロデオも併せて見ると、本稿で述べて来たような面倒な問題は抱えつつもメーカー側には今後もアナログ要素がある機種の開発に鋭意励んで随時リリースすることが期待でき、こういった造りの機種の面白味をユーザー側に対してしっかりと提示できるような運用でホール側が臨めるかどうかが重要になって来るのは、改めて述べるまでもないだろう。

楽太郎

Posted by 楽太郎