ぱちんこ業界に関する法令等の体系について

自社店舗では今月7日の新装開店でまとまった台数の入れ替えを実施し、その後は半期締めの時期にあたることや人事、渉外の諸事により本業でのデスクワークと面会で忙殺される1週間を過ごしている。

8月の営業に関してはホール事業部でこれくらいは欲しいという粗利額に対して約75%水準で着地し、パチンココーナーは今年の1~2月時期との比較上80%水準の稼動となり営業再開後の6・7・8月は漸次回復の傾向が続いている。

一方のスロットコーナーでは、これは自社店舗が一切の特定日/機種/コーナー示唆を実施していない「つまらない・狙い所が分かりにくいお店」であることや、立地商圏ならびに近隣商圏ではかなりの煽り営業を実施する店舗が多く要所でコロナで減ったお客を更にそちらから引っ張られる格好となりがちであることも関係してか、稼動水準は65%程度に留まり既に回復頭打ちの気配が見えて来ている。

その対策として諸々講じ11月初旬までの新機種購入・売却や営業プランを策定しながら9月上旬を過ごした私だが、営業外の業務として社内研修に携わる中でひとつ気になることがあったため、本稿ではこのことについて軽く書かせていただこうかと思う。

それは、風適法について、である。

主任以上の役付きを対象に、こういう事案についてこのような対処をとった場合には法令上のこの条項目に照らし合わせれば不可となる、といった具合いにホール営業の現場でよくあることや今後起こり得ることを具体的に例示して講義したのだが、20代のある女性役職者から「法令、警察庁の指導、内規・ガイドラインという単語が頻発するが、どれが法的強制力があるのか、業界側の自主的な順守方針のもとで成り立っているのか、いまひとつよく分からない」という主旨の質問がありそれに応える、という場面があった。

この回答の際に、予備知識は与えた上で「自学できるように」示したのが下記のような(実際にはより詳述した)資料であり、彼女と同じ世代や役職である読者の皆さんにとっても改めて要点を整理して風適法や取り締まり行政による業界所管の在り方、また業界内での取り決めなどに対して向き合う際の手助けになればと思い、この機会にまとめさせていただいた次第である。

まずは、風適法について。

戦後の風営法は特に性風俗いわゆるフーゾクの紊乱を防止・統制する目的で制定され、その後に取締法や適正化法というかたちに整備されてこれにぱちんこをはじめとした諸業種が組み込まれて行き今に至るという経緯は、若手であっても適当な規模の法人に所属していれば大体は把握していることと思う。

これはぱちんこ業界を所管する国家公安委員会・警察庁(一緒に「取り締まり行政」或いは「警察行政」と呼ばれる)が依って立つ大本となる法令であり、つまりは大まかな内容になっている。

『風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律』

(昭和二十三年法律第百二十二号)
施行日:2019年(令和元年)12月14日
最終更新:2019年(令和元年)6月14日公布(令和元年法律第三十七号)改正

大まかな、ということは様々な条項について別表・別記というかたちで詳述する必要があることから、下に列記した通りの法令がこれに続く。

『風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令』

(昭和二十三年法律第百二十二号)
施行日:2019年(令和元年)12月14日
最終更新:2019年(令和元年)6月14日公布(令和元年法律第三十七号)改正

『風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令』

(昭和五十九年政令第三百十九号)
施行日:2020年(令和2年)4月1日
最終更新:2020年(令和2年)3月11日公布(令和二年政令第四十号)改正

『風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則』

(昭和六十年国家公安委員会規則第一号)
施行日:2018年(平成30年)6月15日
最終更新:2020年(令和2年)4月27日公布(令和二年国家公安委員会規則第六号)改正 ※後述あり

『風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準について』

通達日:2019年(令和元年)12月2日

『遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則』

(昭和六十年国家公安委員会規則第四号)
施行日:2019年(令和元年)12月14日
最終更新:2019年(令和元年)10月24日公布(令和元年国家公安委員会規則第八号)改正 ※後述あり

ナンバリングは私が便宜上施したものであり、それぞれにおいて上位・下位という関係性や重要度を示すものではないのでご注意いただきたい。

これらの法令や規則には、例えば⑥にはメーカー開発部署が特に影響を受けることとなる『技術上の規格解釈基準について』が含まれているといった具合いに、日常的に参照する・すべき頻度が高いか低いかはホール・メーカー・販社・その他業界関連の職域に応じて変わって来る。

このように、大本となる風適法をはじめとした上記①~⑥の法令に加えて、下記の⑦~⑨によって地域ごとの事情や現状に即したものとなるような補足・補完がなされている。

⑦各都道府県公安委員会が定める『風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例』ならびにその『解釈基準』。

⑧法令を補足・補完したり現況に沿うかたちで適宜コントロールする目的で行われる『行政講話』やその都度業界団体関係者を招致して行われる口頭・書面通知。

前者については、主要業界団体の会合に臨席して慣例上ではあるが年に4回以上その機会がある。これについては過去記事行政講話」を読み解く事で、ぱちんこ業界の未来を窺う』)で詳述しているので、そちらを参照されたい。

後者については、例えば2015年(平成27年)11月25日に警察庁は全日遊連、日遊協、同友会、PCSA、余暇進というホール関連5団体の代表者を招致して「検定機と性能が異なる可能性のあるぱちんこ遊技機」の撤去に関する説明を行っている。当時の警察庁生活安全局保安課課長補佐・大門氏ら2名が臨席し、直近で開催された余暇進の秋季セミナーにおける行政講話を補足・補完する目的で質疑応答を行っている。

そして⑨として挙げるのは、業界団体側が①~⑥の法令と⑦⑧を考慮しながら形式上自主的に定めるいわゆる『内規』や『ガイドライン』である。

本稿の想定読者としている若手の業界人の皆さんは、5.9号機や6号機、広告宣伝規制順守のためのガイドラインといった具合いに、①~⑧よりはこの⑨の方に馴染みが深いかと思う。

本稿の締めとして、直近で改正された法令をひとつ確認したい。

2018年(平成30年)2月1日に施行された『風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則及び遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則の一部を改正する規則(平成29年国家公安委員会規則第9号)は通称「改正規則」と呼ばれ、その後はこれに則るかたちで漸次、新規則機への入れ替えが進んでいるのは周知の通りである。

警察庁は業界団体の要請を受けて今般のコロナ禍の影響を考慮し、この改正規則を再び改正して2020年(令和2年)5月20日の通知によっていわゆる経過措置の期間が延長された。

では、前述して来た①~⑨の内、どれが改正されたのかといえば、先ほど付記で「後述あり」と記していた③と⑤であり、その改正規則の正式名称は『風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則及び遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則の一部を改正する規則の一部を改正する規則の制定について(通達)』という非常に長ったらしいものになっている。



以上、若手読者の皆さんの参考になれば幸いである。

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【参照】

・電子政府の総合窓口「e-GOV」

・警察庁HP

楽太郎

Posted by 楽太郎