曇天の朝、炎天の昼に8月のホール営業を占う

8月初旬の早朝、本社へと向かって歩く私の視界には少し雲が掛かった浅葱色の空が広がっている。

右手には線路に沿って広場が伸びており、そこでは野良猫たちが思い思いに振る舞い土鳩やカラスたちは酔いどれが路上に残した御馳走を啄んでいる。

街路樹はここ最近になってより一層緑の色彩を強め夜露の蒸発と共に辺り一帯にはむんわりとした蒼の香りが漂っており、その広場の端、背の高い錆びた鉄柱の上に設えられた時計の針は6時7分を指し示し、ビル管理人が掃除を始めるのが先かそれとも私の到着が先かどちらともつかぬ時間であることを教えてくれる。

少しだけ先んじた私に、竹箒と塵取りを手にやって来た管理人は「店はどうだ」と聞く。

「厳しい」と応え、そしてすぐに「みんな、厳しい」と言い直す。

自社の7月のホール事業は、諸々ひっくるめて目標粗利額の72%ほどしか作ることが出来なかった。

およそ20日までの数字は悪くなかったが、その後は夜間・休日の外出自粛ムードが影響してか失速感がありまた不幸にもパチンココーナーが確率的に軽く推移して狙った数値からはショートした。

月が改まり、いよいよ日中は炎天下の酷暑が身を苛む季節となった。

私は今、新機種選定に際してのメーカー営業マンとの面会、また中古機の購入・売却等に時間を割く傍らで店舗管理者としては1日に2時間ほどではあるがホールにも出ながら接客最前線の様子をつぶさに見つつお盆時期の営業についてどのようにしたものかと思案している最中である。



営業数字以外のことについて、最近のホールの状況としては、まずは入店時には必ずマスク着用をお願いする旨の声掛けに対して「どこのパチ屋もマスクマスクと言って来る、対策し過ぎだ」「こんなものには意味(効果)がない」「潜伏期間が長めのインフルエンザみたいなものだから、過剰反応している世の中全体がおかしい」といった具合いに不満を募らせての返答をして来るお客さんが増えたり、都内全域での禁煙・分煙化にあたり店舗周辺の路地などでたむろして喫煙する近隣の会社員や若者の姿が多く見受けられるようになっている。

前者については業界が定める感染拡大防止のガイドラインに則った営業をすべく粛々と声掛けをし協力をお願いする他なく、また後者についてはパチンコ店の周辺でそのような状況が常態化すれば街の景観や善良な環境を損ね地域民の皆さんにご迷惑をお掛けする可能性もあることから、この一角は喫煙所では無いため長時間の滞在はお止めいただくようにと根気強い声掛けを繰り返している。

そういった風に、お客さんや近隣の方々に接する毎日で強く感じるのは、大雑把に言えば”世の中に対する不満や窮屈さ”だ。

この不満感、開放感を求める気持ちに対して施設管理の観点では充分に応える事はできないが、では営業面ではどうだろうかと考えれば、厳しい状況ではあるもののどうにかこうにかコロナ禍以前と同程度の機種運用レベルを維持して、いつ来店しても適当に遊べて勝ったり負けたりしていただけるような”いつものパチ屋”で在りたいと改めてそう思う次第である。

楽太郎

Posted by 楽太郎