義理人情にも金は要る【ホール運営論】

寄稿文

ハイディホー、チャッキーだす。

今年は武漢肺炎のせいで世界中しっちゃかめっちゃか。

いつになったらマスクから解放されるのか、憂鬱である。

さて、その武漢肺炎のせいで企業が倒産・廃業や、先行きの不安さから新卒の内定を取り消すケースがあり、行き場を失う新卒君も出たらしい。

俺の取引先でも、バイトを卒業して意気揚々と出社の春を待っていたら内定取り消しを食らい、店舗に出戻りを願い出る子達がいた。

その中に、A店の元バイト、X君もいた。

勿論、枠が埋まってなければ出戻りは可能だが、A店は自粛開けの業務増に備えて追加も含めて多めに人員補充していたため、X君の出戻りは不可と判断した。

すると、A店の店長a氏が、「可哀そうだから雇ってあげたい」と言い出した。

俺は、X君の出戻りの問題を挙げた。

・X君は二軍なので、無理に戻す人材ではない。

・当店では、女子は広告塔&男子は用心棒というスタイルでやっており、スタッフが客と揉めた場合は男子スタッフがカバーに入る掟なんだが、X君はトラブル現場から逃げるし、現場に行けと言うても、適当に言い訳して逃げる。そんな奴は要らんねん。

・X君を雇う経費的余裕は無い。 

・社会保障保険料込で40万円ほどノルマ追加になるが良いか? 

・ただでさえ利益が出ていない上に、当分は満足に稼げないけど負担に耐えられるか?

・X君を雇用する為に入れ替えを一台減らせるか。

・X君を雇う代わりに誰か解雇できるか。

・X君はフル勤務希望だが、彼を雇用する代わりに他の多くのスタッフの出勤コマ数を減らせるか。

・何も犠牲にしない場合、日粗利でプラス1.5万円ほど追加できるか。

最後に、「人に同情するほど利益が出ていないじゃん。後は判断してくれ。」と言うと、結局はa店長はX君の出戻りを諦めた。

ちなみに、この時点で俺はA店との契約を終了しており、「X君を雇用してチャッキーを斬る」という選択肢は無かった(笑)

契約してないのに相談に乗ってるんだから、お人好しの馬鹿と言われても仕方ない。

同情して雇って、後で困るのはa店長本人だから、キツい事も現実的な話もする。

だいたい俺に連絡してきたって事は、彼も「雇えない」事は分かっていて、俺に駄目押しして欲しかったのだろう。

雇わないという冷たい決断を下すのが嫌で、俺のせいにしたかったんだろうな。

他の従業員への説明も楽だし。

金が無い店は同情する資格も無いと肝に銘じてくれればいいんだがね。

その金を稼げていないのは、他でもない自分(店長)なんだ。

金を稼いでいれば、一人くらい店長の裁量で雇ったって文句言われないのよ。

さて、この何をするにも金がいる、という逃れようのない現実を知覚していない店ってのがチラホラあるのね。      

経営者が、金が無くても知恵で乗り切れと言うが、その知恵を実現するのにも金はいる。

カイジに登場する利根川さんも言うてる。

金は命より重いと。

金があれば若くて可愛い女子スタッフを余分に雇い、好きな機種を入れ、チラシをばら撒き、来店マン(五十嵐マリア)を呼び、「好きなスタイルで営業」でき、「楽な営業」が出来る。

さっきのX君も余裕で雇えたろう。

もし今、営業に関する希望が通らず、日々の営業が辛いとしたら、それは稼げない店長自身に問題があるかもしれない。

予算が無い、と不振店の店長は口にするが、予算は空から降ってこない。

予算は経営者からのお恵みでもない。

会社が機械を買ってくれない、〇〇してくれないという愚痴もよく耳にする。

(他にも、頑張ってるけど評価してくれないとか)

昭和のドラマの、くれない族の反乱かよ。

何度も書くが、金を用意するのは店長の仕事。

機械が足りないなら、予算に加算して稼ぐしかない。

たとえボッタくってでも(笑)

稼ぐだけでなく、予算の配分を変える事も必要。

チラシが効果無いと思ったら思い切って止めて他に回せばいい。

一回30万円のチラシを二回止めたら、パチスロで万枚3台だせるし、中古の機械なら2台買えるかもしれない。

泣くのはチラシ屋だけだ。

要らんものを要る物に付け替えてみてはどうだろう。

ところで、苦しんでる店長さんと話してて思うのは、なんか稼ぐ事が悪い事のように錯覚してたり、稼ぐ意味が漠然としてる人が多い。

もちろん、パチンコ屋は客の涙で食う仕事である。

パチンコ屋が稼ぐと、後ろめたい気持ちになる人がいた。

なんか、機械代ばかりが膨らんで、機械屋のために営業してる気になって仕事が詰まらなくなった人もいた。

会議で経営者に言い渡された根拠の分からない金額のノルマを課され鬱になりそうな人もいた。

その反発もあってか、お客様の為という文言を言い訳に、杜撰な調整管理して利益を取らないで自滅する人もいた。

お客様の為と言いながら、実はお客に恨まれるのが怖くて調整を締め切れない、稼ぎ切れず、自分で営業を辛く詰まらなくしてる人を沢山見た。

稼げないから玉が出せない。

稼げないから新台を提供できない。

稼げないから最新のデータランプも設置できない。

稼げないから壊れた両替機が止まったままだ・・・

↓ ↓ ↓

結果的に、遊技客に何も提供できていないだけでなく不便を強いる店になり、更に来店客がいなくなり、更に稼げない・・・という腐のスパイラルに陥ってないか。

そんなときは、稼ぎたい理由をハッキリさせよう。

・稼いで年末に万枚出したいから、〇〇月までに〇〇万円浮かせよう!

・五十嵐マリアを呼びたいから、〇〇月までに〇〇万円浮かせよう!

・ボーナス欲しいから〇〇月までに〇〇万円浮かせよう!

・新しい〇〇が欲しいから〇〇月までに〇〇万円浮かせよう!

・女子スタッフの制服を可愛くしてSNSの見栄えをよくしたいから〇〇月までに〇〇万円浮かせよう!

・みんなで叙々苑の焼肉食べたいから、〇〇月までに〇〇万円浮かせよう!

欲しい物も、やりたい事も、ねだるな勝ち取れ。

もう店長や社員の私利私欲でいい(笑)

やりたい事、目的、難易度、優先順位、機嫌、金額を一覧にして、稼ぐ理由をハッキリするのだ。

小さい成功と幸せを積み重ねよう。

この積み重ねが計画になる。

そして、一つ一つ達成したりしなかったりを繰り返す内に、稼ぐのが楽しくなる。

目的があれば、ボッタくっても客の目も気にしないような図太さが身につく。

あと大事なのは、店長がコントロールできる販促費や人件費以外で経営者から打診されるノルマ金額の中身を確認する事だ。

以前のリニューアルや内外装変更経費がまだ残ってるのかもしれない。

〇〇送金ノルマが乗っているかもしれない。

家賃が相場より高いかもしれない。

役員報酬が不当に高いかもしれない。

そういうのが明確になる事で、改善点が見つかったり、交渉で軽減できるかもしれない。

そして、玉だ機械だ設備だサービスだ、便利さだ快適さだといった面でお客さんに還元できるようになれば、もしかしたら営業の辛さが軽減できたり、妥協点が見つかったり、うまくいけば楽しくなるかもしれない。

経営者からの押し付けでなく、自分の意志と意欲と欲望で押し進めていけば、道は開けるかもしれない。

最後に、

武漢肺炎で苦しい、

予算の縮小が認められず吊し上げられて辛い、

そんな時だからこそ、ちょっとだけ先の、自分の目標を作ってみては如何だろうか。

頑張って生き延びましょう。

気持ちは折れないで。

では、また次のネタで会いましょう。

ハイディホー。

寄稿者紹介

チャッキー氏

<プロフィール>

ホールも含めた、多業種の営業コンサルタント。

ぱちんこ業界を冷静に観察/分析しつつ、基本的には厳しいスタンスで臨む論客。