withコロナの、未だ見ぬ景色へ
ここ最近、ずっと探している記事がある。
それは、おそらくは音楽雑誌「BARKS」の25年くらい前の記事だと思うのだが、「SOPHIA」のヴォーカリスト・松岡 充 氏の来歴を紹介した記事である。
内容はうろ覚えなのだが、大筋としてはこうだ。
・松岡氏は野球少年だったが、その後非行に走り、ある日喧嘩で問題を起こし少年鑑別所に入る事になった
・当時は上手く行かない事ばかりで色々と思い悩んでいたが、付き合っていた女性が気晴らしになるようにとカセットテープを編集して差し入れてくれた
・テープの中には英語の楽曲ばかり入っており、彼には歌詞の内容はよく分からなかった
・しかし、彼にはその楽曲が、どうしようもない自分に対して「頑張れ!」と言っているように聴こえた
もしも、実際の内容をご存知の方がいらっしゃったり、上記内容に誤りがあった場合には、コメント欄でご指摘下されば幸いである。
なぜ、このような話を今になって思い出したのかと言うと、それにはやはりコロナ禍が関係している。
東京都内で店舗管理している私は、小池都知事の休業要請に応じるかたちで丸一ヶ月以上の休業を余儀なくされ、その間は本社業務と並行して週に2~3度のペースで管理店舗に顔を出しマネジャーや主任をはじめとした社員たちと共に設備維持や清掃等の業務に励んでいた。
休業中の店舗内の雰囲気は法人や店舗によって様々だったかと思うが、自社店舗においては「こうなったらもう、ジタバタしても仕方がない」「普段できない事をやる、絶好の機会じゃないか」「いつでも営業再開出来るように備えておこう」といった具合いに、非常に明るく前向きな表情や言葉がホール内で始終見聞き出来た。
私は普段、一般社員やアルバイトスタッフの面倒見があまり良い方ではなく、こういった現場の士気を高めたり諸々のケアについては役職者連中に任せて居るが、先ほどのようなかたちで彼らの平時のスタッフ管理が適正であるのを窺い知る事も出来たので、営業粗利を得る機会ならびに地元客との接点を長く損失した事はたしかに痛手であったが、それなりに得たもの・気付いた事もあったのだと思うに至っている。
さて、そのような期間において、ホール内では退屈凌ぎに有線放送やスタッフが持参した適当な音楽を流しながら設備機器や遊技盤面・リール等の清掃にあたったりする訳だが、当日の一通りの作業が終わった後は、いかに社員であっても普段あまり遊技した事がない機種を実際に打ってみたり、プライベートでは一切遊技しない者もこの機会にと勉強がてら特に変則的なスペック機を任意で試し打ちするなどして過ごしていた。
告知ランプが点灯した際に周囲から一斉に上がる歓声。
パチンコ玉と釘やガラス、プラスチック部品等が立てるホールならではの音。
アツい展開に際し、否応なしに盛り上がる液晶演出と豪華ギミック動作が合わさって奏でる遊技音。
これらによって、ホール内は再び遊技空間としての趣きを取り戻す。
しかし、それはあくまでも疑似的なものに過ぎない。
金銭や賞品の動きが無く、遊技台に向き合ったり通路を行き来する者が醸し出す雰囲気も、平時のホール風景とは何もかもがまるで異なっているのが、長く営業に携わって来た者であるほどにはっきりと感じ取れるからだ。
これは単に私が、行政ならびに都遊協の要請を無視して4月末になっても営業を継続するという判断を強いられたり、役員連中が苛立ちと共に主張する ” 組合脱退 ” という羽目に陥らず「無事に休業入りする事が出来た」という安堵感がそう思わせただけなのかも知れないが、とにかく妙に気が抜けたような思いで、スタッフが楽し気に遊技に興じている様子を眺めていた。
5月25日、政府による緊急事態宣言の解除によって都知事の都政上の緊急事態措置としての休業要請の意味合いは変化し、それに応じて同日、都遊協は長かった休業期間に実質上の営業再開黙認というかたちで終止符を打った。
自社店舗においても、必要な対策は講じた上で粛々と営業を再開し、前述して来たような毎日が終わりようやくまた地元客を迎え入れての営業が始まる事となった。
当日、私は早朝から店舗に赴き、何か不備がないか最終点検をした上で開店時刻が来るのを幾分緊張しつつ待っていた。
開店時刻の10時になった。
自粛項目として終日使用しない事にしているため、店内BGMはかからない。
朝一入場は6名であった。
まずは低貸しパチンココーナーから、玉が貸し出され、それらが盤面に弾き出され、液晶画面とスピーカーが作動した” 遊技音 ” が聞こえて来た。
既に語り尽くされた事であるが1ヵ月以上におよぶ自粛ならびに休業要請は ぱちんこ業界特にホール側にとって相当に厳しいものであり、営業再開したからといってこれからどの程度の期間で従来水準の集客が可能になるか見通すのは困難である。
東京におけるパチンコ店への休業要請が正式に解除された本日、6月12日になっても、ホール関係者の大多数は先行きに不安感を抱えながらそれぞれの業務に勤しんでいる事と思う。
だが、その時、久方ぶりにホールに鳴り響いた遊技音は、私には「パチ屋のくせに、しみったれた顔をするんじゃない」「頑張れ!」と、そう言っているように聞こえた。
ディスカッション
コメント一覧
お疲れ様です!
昨日のグーグル砲で
※
東京も、大阪と同じく、営業自粛期間中は特殊景品卸が止まっていた。
なのに、大阪と違い(大阪は特殊景品への交換は出来ず、貯玉か一般景品のみ)都内は普通に金景品を提供していた。
連日押し寄せる客に提供し続けたが、金景品がなくなる事は無かった。
何故なら、営業していた全ての店で、パチ屋が景品交換所から買い戻していたから。
3点方式ではなく、2点方式になり、完全な違法営業をしていた事になる。
※
と言う記事が出て来ました。
これについて、どう思われますか?
出来ましたら真偽の確認を含め、ブログで書いて頂けるとありがたいです。