東京エリアにおけるパチンコ店の自粛、感染拡大防止対策および休業要請期間中の状況について

全国一律自粛からの変化

本稿執筆中の5月20日~21日は、これまでの約1か月半にわたる行政による緊急事態宣言およびそれに伴っての休業要請という極めて異常な状況に、各都道府県ごとに変化が生じている状況である。

その変化とは、敢えて述べるまでもなく、日々の収入が無いまま固定費の負担に耐え忍んできた各種営業施設の営業再開である。

ぱちんこ業界、特に遊技客最前線の現場であるホールにおいてもそれは同様であり、政府/地方自治体による緊急事態宣言ならびに休業要請の解除により堂々とそれが出来ている店舗と、当該エリア内においては未だに行政側からの「合格」判断が出ておらず、また各方面遊協/遊連の方針に反してでも、事業の継続と廃業を天秤にかけた際に已む無く非常発車的に営業を再開せざるを得ない状況に至ったような店舗とに分かれている。

前者の店舗が留意し何を差し置いてでも実行すべき事は、業界団体側で策定したり各地方自治体と各方面遊協とで合意した感染拡大防止のための「ガイドライン」を徹底する事でる。

そして、後者の店舗に関しては、各方面遊協にとって目下非常に難しい舵取りを迫られているような状況であると言える。

これまでは、国難への対処および協力という目的の遂行はもちろん、業界の未来のため、ファンの命を危険に晒さないための取り組みとして、緊急事態宣言が発令された4月初週からこの5月まで「概ね1ヵ月」という期間を想定して休業に堪え忍んで来たが、データとして出て来る感染状況にはここ1~2週間単位で落ち着きが見受けられるものの行政側からは実質的には未だ営業再開の目途すら立てて貰えない、再開の判断指標が厳し過ぎるため希望が持てない、酷い場合は休業要請継続の論拠があやふやなまま休業継続を強いられているようなエリアもあり、当該エリアのホール関係者の中には心を折られる寸前の者も居るのではないかと思う。

「愛」と「資格」

こうした状況で、直近で頻繁に見聞きするようになったのが、「業界愛」「パチンコスロット愛」「業界の未来を語る資格」などの言葉である。

業界の窮地にあって、距離感の遠近や関わり方の深浅を問わずそこに携わる者たち、広義での「業界人」という事になるだろうが、そういった者たちの「愛」や「資格」の大小、在る/無しを問うような動きが出て来る事は、別にこの業界に限らず色んな業種や場面で往々にしてよくある事かと思うし、そしてまたそれに対する意見も多岐にわたる事と思う。

特に、ホールへの取材や来店イベントを生業とする演者/ライターさんに対して、愛の大小や資格の在る無しを踏み絵の如く問うような動きが見られたが、私自身はこのような愛を試すような行いはしたくないと思っており、またその必要性も感じてはいない。

なぜか、それは、普段からある程度の露出度がある方であったり、「楽太郎」としてでも中小ホール企業のいち実務者である「私」としてであっても、実際にその演者/ライターさんと一緒に仕事をさせて頂いた事があれば、その愛の程を垣間見る事は出来るからである。

資格の在る無しについては、これは私のような者がこの場で断ずる事が許される性質の話題ではないのでこれ以上は言及しないが、今ここで述べさせて頂いたような事は交流がある「ライター」の一人である貴方野チェロス氏が十分に語って下さっているため、ご興味がある方は同氏の直近のコラム(「ニコナナライターコラム」5月19日up『声をあげたヤツとあげなかったヤツ』)をご覧下さればと思う。



次に、業界側特にホールの集合体としての組合についてであるが、前述の流れと同様にやはり愛や資格が話題に上がったようなエリアはあった。

これについて、私はあくまでも東京エリアの業界人であり全国各所の組合の動きや細かい事情までは把握する事が出来ない立場なので、愛や資格を問うかたちで組合員に対して感情的に訴えなければならないような状況もあった事と思うし、また実際に発出された通知書面の内容について、この場でどうこう述べさせて頂く事はない。

後段では、本稿の主題として、前述のような時期や状況下において、私の居る東京エリアでは一体どのような自粛方針および感染拡大防止対策を組合として講じ、またどのような休業要請期間を過ごしているのかについてお話ししたいと思う。

東京エリアの状況

周知の通り、2月11日にWHOが新型コロナウイルスによる肺炎などの疾患の名称を「COVID-19」として公表し、13日には日本国内における初の死亡者が発生している。

そして24日に「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」が開催され、その後の27日には国内の感染拡大を防ぐため全国の小中学校/高校/特別支援学校を3月2日から春休みまで臨時休校とするように政府が要請し、翌28日にはディズニー等の施設が休業を公表するなどして、日本国内において得体の知れない新型ウイルスに対する緊張感が少しずつではあるが強まって行く事になる。

以下、3月から現在に至るまでの東京都遊技業協同組合(以下「都遊協」)の動きを中心に据えて、東京エリアの状況について時系列で見て行く事にする。

新型コロナ禍における東京エリアの状況

・3月2日(月)

2月28日(金)付けの通知にて全日遊連は、各方面遊協(連)に対して、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために政府では不特定多数が参加するイベント等の中止や不要不急の外出を控えるように要請している事を鑑みて、ホール組合としても各種媒体を用いた新台入替等の集客を目的とした広告宣伝について自粛を含めた適切な対応をとるように要請した。

上記通知を受けて、都遊協では、見出しの日付においてその旨を各組合員に通知した。

・3月11日(水)

通知書面『組合員店舗における新型コロナウィルス対応について(Vol.2)』において、都遊協では各組合員に対して、前記2日の内容を改めて要請した上で、「その後の状況に大きな変化がありました」として3月6日(金)の衆議院における早稲田議員による質疑ならびに3月10日(火)における菅官房長官による閣議後の記者会見の内容に言及した。

同会見において官房長官は、警察庁は業界に対して従業員への感染が拡大しないように職場整備を求め不特定多数が触れるハンドルなどの消毒などにより感染拡大を防止するように要請している事、また業界団体では集客を目的とした広告宣伝の自粛を各営業所に求めているという主旨の発言を行った。

この会見の内容は報道機関によって大きく取り上げられ、国民の関心が高まっている事を鑑みて、都遊協ではHPや店頭/店外の「第三者の目に触れる可能性のある全ての媒体において」広告宣伝行為を自粛するように要請した。

それに加えて、遊技客と従業員を守るための施策として、従業員の出社時の体温計測、従業員の可能な限りのマスク着用、従業員の手洗いおよび咳エチケットの励行、ホール内の消毒および換気、地域における感染状況等の最新情報の把握等を要請した。

・3月13日(金)

都遊協は、前記11日の通知書面の内容を踏まえて、未だにSNS等による明らかな集客目的の広告宣伝行為が見受けられ、それらへの批判が全日遊連に対して多数寄せられている事、また遊技をしない人も含めて社会全体に理解されるような対応をとるように各組合員に対して書面にて求めた。

・3月16日(月)

都遊協では、報道関係者に対して『当組合における新型コロナウイルス対応の状況と消毒液の全店配布について』という書面通知を3月13日付で実施し、その中で新型コロナ禍における東京エリアのホール営業の現況について都内で営業中の店舗でこれまでクラスターが発生していない原因の推察として、遊技客がほとんど喋らない事、一般的な屋内施設と比較して非常に強力な空調設備を備えており換気環境にも配慮している事などが奏功しているとした上で、改めて11日に通知した遊技客と従業員を守るための施策の取り組みを要請し、更に十分な量の消毒液の確保が困難であった状況を考慮して、300~500台設置規模の中規模店で約1ヵ月の使用に耐え得る量の消毒液の配布を都内全組合員店舗に対して実施した事について言及した。

また、この事を、『組合員店舗における新型コロナウィルス対応について(Vol.5)』にて各組合員店舗に対して通知した上で、改めて広告宣伝自粛の取り組みへの理解と協力を求めた。

・3月23日(月)

都遊協は、『新型コロナウイルス感染症対策に伴うホールにおける全ての広告宣伝行為の自粛等の再徹底について(Vol.6)』において、全日遊連が各方面遊協(連)に対して3月19日(木)に通知した内容を徹底するように要請した。

この全日遊連の要請内容で注目すべき事としては、ライターやイベント企業に対しても、業界が置かれている状況と取り組みの趣旨への理解を求めた点にある。

・3月26日(木)

前日の記者会見において小池東京都知事は「3つの密」を避けて行動するように、また夜間の外出を控えるように要請した。

これを受けて都遊協は『新型コロナウイルス感染症対策について(小池都知事の記者会見を踏まえて)』を書面通知し、その中で「組合員の皆様のご協力により引き続きホール営業を継続できるよう、下記項目の完全実施をお願いいたします」とした上で、まずは改めて広告宣伝行為の自粛について、次いで店舗内が「3つの密」の状況にならないような取り組みの実施ならびに夜間におけるネオンや看板照明の点灯時間等についても特段の配慮を求めた。

・3月27日(金)

東京都は都遊協に対して「遊技場が広告宣伝をしているのはどういうことか、といった苦情が、多数寄せられている」という主旨の連絡を行った。

これを受けて都遊協では『新型コロナウイルス感染症対策について(行政当局からの連絡)』という書面通知を実施し、その中で「万一、未だ広告宣伝を行っているものを目にした際には、現物を写真にとり、都遊協事務局までお知らせくださいますようお願いいたします」という文面で、各組合員店舗に対して情報の提供を求めた。

・3月31日(火)

都遊協は、各組合員店舗に対して『新型コロナウイルス感染症対策について(Vol.7)』を書面通知した。

その中で、直近の週末において遊技場に数百人が並んでいる状況がTVやネットニュース等で報道された結果、世論としてホール営業に対しての疑問の声が上がって来ている事について言及した。

小池都知事は30日の記者会見において、遊技場においては感染が拡大したという事例は無いものの、いつ発生してもおかしくない状況にある事に変わりは無いという主旨で言及し、世論は「休業すべき」「イベントを中止すべき」という声を高めているため、都遊協としては従来の取り組みに加えて「開店前にお客様を並ばせない施策の徹底」という項目を新たに設けた上で、各組合員店舗に対してその徹底を求めた。

同項目の詳細は、第三者を装ったものも含めたSNS等による告知ならびに駅構内掲出の広告物や店頭/HP等での新台入替や特定機種に関する告知の自粛、またどうしても開店待ちが発生してしまう場合の対処として、大きく間隔を空けて並んで頂いたり、整理券発行等の並びが発生しないような工夫を求めるという内容であった。

・4月1日(水)

都遊協は、各組合員店舗に対して『新型コロナウイルス感染症対策について(Vol.8)』を書面通知し、当日より改正健康増進法が施行され屋内は原則禁煙となったことを受けて、 感染症対策の観点からの留意事項として3密に該当しないような特段の配慮を求めた。

これにより、喫煙ブース等を新設したものの、3密回避のために即時閉鎖するという対応をとる店舗が多く見受けられた。

・4月2日(木)

都遊協は、各組合員店舗に対して『新型コロナウイルス感染症対策に係る感染防止の措置について(依頼)』を書面通知し、3月31日付けで警察庁生活安全局保安課長からパチンコ・パチスロ21世紀会宛てに『新型コロナウイルス感染症に係る感染防止の措置について(依頼)』と題する通知があった事について言及した。

警察庁による同通知の内容は、3月19日に新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が発表した『新型コロナウイルス感染症対策の分析・提言』において「最も感染拡大のリスクを高める」環境として「①換気の悪い密閉空間 ②多くの人が密集していた ③近距離での会話や発声が行われた」という「3つの条件が同時に重なる場」であり、そのような場においては活動を自粛するように要請していると説明した上で、「ぱちんこ営業においては、多くの人が密集した環境での遊技等、これら”3つの条件” を満たす可能性がある」と指摘していた。

都遊協では、若者世代は感染による重症化リスクは高くないものの無症状や軽症状の者が本人が知らぬ内に感染を広めてしまう事例が多くあるとされている事に触れた上で、参考資料として前出の専門家会議が発表した分析・提言の内容を把握し、それ以後も厚生労働省等の情報を参照し常に最新の措置を講じるように各組合員に対して求めた。

・4月3日(金)

都遊協は、各組合員店舗に対して『新型コロナウイルス感染症対策について(Vol.9)』を書面通知した。

その中で、都知事の会見や各種報道により多数の並びが発生するホール営業についての是非が取り沙汰され、また自主的に休業を決めた店舗も出て来ている事について言及した。

このような状況下で引き続き営業する店舗においても、これまで各組合員に対して要請して来た自粛要請を守り、感染拡大防止対策を講じた上で営業するように求めた。

・4月8日(水)

都遊協は、各組合員店舗に対して『新型コロナウイルス感染症対策について(Vol.10)』を書面通知した。

書面の冒頭において、前日の7日(火)に安倍総理により発令された「緊急事態宣言」を受けて、小池都知事からも東京都における緊急事態措置として法令に基づいての遊技場の休業要請があると目されていたところ、その発表は4月10日(金)に延期されたという事について言及した。

また、不要不急の外出を極力控えるという方針や本社機能のテレワークへの移行および営業時間短縮等も含めた勤務体制の見直しに取り組むように求めた。

小池都知事による10日の発表の内容は不明だが、各組合員店舗においては、3密を避けクラスター発生を防止するための施策として、従来の自粛要請や対策に加えて、出入口開放も考慮しての換気の徹底、「消毒済札」の活用なども考慮しての消毒の有無が視認できるような工夫、分煙ボードの活用や1台置きの稼動等による密着させないための工夫等を求めた。

・4月10日(金)

都遊協は、各組合員店舗に対して『新型コロナウイルス感染症対策について(Vol.11)』を書面通知した。

当日の小池都知事による緊急事態措置の宣言において遊技場が休業要請対象施設として指定された事を受けて、本要請が「法令に基づく要請」であるとした上で、「組合員店舗におかれましては、遵法精神に則り、原則として、遵守下さいますようお願い申し上げます」と要請した。

行政による各種助成金や協力金についても参考として言及した上で、「こうしたことを十分に考慮された結果、営業継続という苦渋の決断をせざるを得ない場合であっても、営業時間の短縮や週1回程度の休業などについて、別途考慮してください」と要請し、改めてこれまで通知して来た自粛や対策の徹底を強く求めた。

・4月20日(月)

業界有志およびユーザーで構成するオンラインサロン「未来ラボ」の調査によれば、4月13日(月)時点での都内の休業状況は565店舗(約70%)以上となり、都内の主要駅を中心として構築される各商圏においても、営業を継続している店舗の方が少なくなっていた。

都遊協は、4月16日(木)に小池都知事から都遊協に対して通知された『新型コロナウイルス感染拡大防止のための東京都における緊急事態措置等について』という書面を別紙として添付し、その中での「貴団体を構成する事業者の方々に対して、施設の利用停止の要請にご協力頂くよう周知していただくことをお願いいたします」という依頼について言及した上で、現時点で営業を継続している店舗においても、仮に感染拡大防止施策を徹底していたとしても、人と人との接触を8割以上減少させ、これ以上の感染拡大を防止するために、休業を検討するように改めて要請した。

・4月21日(火)

都遊協は『西村担当大臣による遊技場休業要請の強化発言について』と題する書面を通知し、新型コロナウイルス対策担当である西村康稔 経済財政・再生相が当日の会見において遊技場を対象に「特措法45条の措置について、検討・調整を行っている」と発言したとの報道がなされている事について言及した。

都遊協としては、この背景として、都遊協事務局はもちろん各都道府県、各市区町村、各行政当局、各議員、各党本部等に対して、現在も営業を継続している店舗に対する苦情が殺到している事が考えられるとした上で、医療崩壊を防ぎ1日も早い感染収束のために、現時点で営業継続している店舗に対して特措法45条の内容に触れつつ改めて速やかに休業する判断を求めた。

・4月24日(金)

都遊協は、夕刻にかけて【最後通告】の見出しで『「公的融資の対象業種の見直し」及び休業要請について』と題する書面を通知した。

冒頭において、財務省および中小企業庁の各担当官より全日遊連に対し、遊技場をセーフティネット等公的融資の対象とする方向で調整を行うという回答があったと言及した。

これを受けて、都遊協ではこれまで営業を継続する店舗に対して再三にわたり休業を要請して来たが、「一般市民の不安感は頂点に達しており、公的融資の見込みが立った今、これ以上の営業継続は、協同組合の理念である相互扶助の精神に反すると見做すほかないと判断しました」とした上で、「都遊協の最後通告として、改めて都知事からの休業要請を受諾する決断をしていただきたく、お願い申し上げます」と、休業を強く要請した。

この最後通告の結びとして、「明日以降も営業を継続される組合員店舗におかれましては、都遊協定款に則り ”第13条(3)犯罪その他信用を失う行為をした組合員” に該当すると想定した除名手続きを検討する」とし、参考として大阪府では営業を継続した6店舗が特措法45条に基づいて店名公表されている事を付言した。

前出「未来ラボ」の調査によれば、この時点で地方自治体による休業要請が発令されていた29都道府県における休業状況は当該エリア内の7,376店舗中 6,014店舗(81.5%)という状況であった。

・4月28日(火)

都遊協は書面通知にて、当日に全日遊連から通知された『新型コロナウイルス感染症対策に伴うホールにおける全ての広告宣伝行為の自粛等の終了時期について』と題する書面の内容についての理解と協力を求めた。

この通知の内容は、緊急事態宣言の期限に設定されていた5月6日(水)までは広告宣伝を自粛する旨の取り決めをしていた事について、仮に緊急事態宣言や休業要請が解除されたとしても5月31日(日)までは引き続き現在の自粛方針を継続するという事で改めて申し合わせ、また今後、地域により緊急事態宣言ならびに休業要請が解除され営業を再開する場合でも、その告知は営業再開の事実のみを簡潔に提示するに留め、また開店前の遊技客の行列への対応や店内の換気および除菌等の感染防止対策は継続して実施するように求めるものであった。

別方面の動きとしては、卸業者によってホールに納品されている流通品の一つである「金賞品」の集荷場が、都知事による先の緊急事態措置ならびに各業種への休業要請を受けて同日から業務停止したという情報が入った。



・5月1日(金)

都遊協は、各組合員に対して『新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための対応について』という書面を通知し、4月7日(火)に政府が緊急事態を宣言して以降それが4月16日(木)には全国に拡大し、東京都を含む13都道府県においては特定警戒都道府県に指定された事について冒頭で言及した。

それに続き、開店待ちの並び状態などが連日マスコミにより報道されているため、まるでパチンコ店のみが休業要請に従っていないかのように国民に対して想像させるような状況になっているが、4月30日(木)時点で28都府県では全店休業し、その休業率は92%に上る事、また休業要請が出ていない3県を除けば休業率は95%以上となっている事実について説明した。

次いで、今後は各自治体ごとの感染状況によって休業要請の解除時期が変わって来る段階に入ると思われるが、組合員店舗からは、5月6日(水)までは休業するが、これ以上は厳しいという声が都遊協理事長阿部氏のもとにも伝わって来ており、理事長自身もいち営業者としては早期の営業再開を望んでいるとした。

しかし、北海道における第2波とも思われる感染状況を考慮したり、1日も早く終息させる事が出来ずに先々仮に台風や地震災害に見舞われるような状況に陥れば全ての国民が死の危険に晒される事もあり得るとし、「中途半端な状況で営業を再開すれば、また感染者が増加して、これまでの全国8000店近い店舗の努力を、水泡に帰することになりかねない」ため、経営環境が厳しいのは理解した上でそれでも公的融資等を活用し運転資金を調達するなどして、遊技業界の将来を危うくする事がないように強い意思を持って休業を受け容れるように要請した。

行政による制度融資や信用保証等の見直しが図られる等、業界に関する対応も徐々に変わって来ている中で、業界自身も変わって行かなければならない事について触れ、最後に「これまでは、まとまりのない業界と世間から言われていましたが、組合員の皆様のご協力があってこそ、遊技業界の認識が変わって行きます。今こそ、常に国民目線を意識した適切な対応を徹底し、一日も早い新型コロナウイルスの終息に向け取り組みをお願いいたします」「くれぐれも遊技業界の置かれている状況を十分に勘案の上、適切にご対応いただきますようにお願いいたします」と結んだ。

・5月5日(火)

都遊協は、各組合員に対して『政府の緊急事態宣言延長と東京都の緊急事態措置延長を受けて』と題する書面を通知し休業要請への協力に感謝する一方で、法令に則っての施設名公表がなされるまで営業を継続した店舗があった事や、その報道により都民からの大きな反感を招いた事について「大変残念」であり「真摯に反省すべき」であるとした。

次いで、以後も緊急事態措置が延長し東京都は特定警戒都道府県扱いとなる事から、従来の休業要請も継続する事が想定されるが、「どの店舗も5月6日までの期間限定だったからこそ断腸の思いで感染防止に協力し、休業してきたとの思いは強いと思う」とした上で、「今ここで営業を再開し、人と人との接触が増えることにより、減少傾向が見られると専門家の方々が言われる状況を悪化させることは、我々の今までの努力が水泡に帰することになる」ため、仮に各県において休業要請が解除されても「東京都とは感染状況が大きく異なる県での話しであり、比較すること自体に意味がない」とした。

都民の感染者を減少させ医療崩壊を避けるために、休業要請が継続した場合には「現状の休業を維持し頑張っていただきたい」とし、「いつまで我慢すれば新型コロナウイルス感染者が減少し休業要請が解除されるのか、誰も明確な答えが出せない状況ですが、5月14日頃には専門家会議を開催し状況の検討を行うとのこと」と説明し、最後に「その時点で大手を振るって営業が再開できるよう、今しばらく組合員の皆様のご協力を、強くお願いいたします」と結んだ。

・5月8日(金)

都遊協は、各組合員に対して『東京都の緊急事態措置の緩和を求める要望書の提出について』と題する書面を通知し、まずは5日における政府の「緊急事態宣言の延長」を受けて、東京都でも当日中に従来の措置の延長が表明された事について言及した。

次いで、この措置の延長に先立つかたちで5日に現状の休業を維持するように要請していたところ、行政側からの当初の休業要請期限日であった6日(水)の翌日である7日(木)から数十店舗が営業を再開し都遊協事務局には相当数の苦情が寄せられており、これについて小池都知事は「まさに気の緩みを呼ぶ」と指摘し9日(土)にも営業している店舗名の公表を行う模様であると状況説明した上で、「別添の通り、本日、小池都知事に、緊急事態措置の緩和を求める要望書を提出」したと説明した。

要望書の内容は、まずは都知事による5日の緊急事態措置の延長および組合員への周知依頼文書に応じるかたちで即日組合員店舗に対して休業の要請文書を通知した事、またその一方で遊技場は休業要請を出されている他業種とは比較にならないほど固定費が膨大であり「更に1カ月延長となりますと、もはや限界を超える店舗が続出することは火を見るより明らか」であり「すでに倒産に追い込まれた遊技場があることは報道の通り」という内容で、各組合員が置かれている状況について説明している。

また、「これまで全国的に見ましても、遊技場でのクラスター発生事例がないことを踏まえ、各遊技場における新型コロナウイルス対策として、さらに一歩も二歩も進めた取組みのガイドラインを別紙の通り、取りまとめ」たとした上で、「つきましては、14日(木)の緩和を検討する際には、このガイドラインを遵守することを条件として、営業をお認めいただきたく、お願い申し上げる次第」であり、「ガイドラインを無視した店舗が発覚した場合には、対策を怠っている店舗として、公表していただくことに異議はありません」と申し添えている。

なお、別添としていたガイドラインの内容は、下掲の通りである。

遊技場における新型コロナウイルス対策ガイドライン(案)』

<基本施策>

①従業員及びお客様のマスク着用の徹底(マスク未着用のお客様の入場の制限)

②毎朝の従業員の体温測定及び体調の確認

<開店前>

①お客様を並ばせない工夫及び整理(整理券、抽選器等の活用)

②手指消毒設備の設置

<開店時・入場時>

①お客様の再整列の際の間隔の確保

②混雑時の入場制限

③お客様の手指消毒の奨励の徹底

<営業中>

①遊技客間の間隔の確保(台間ボードの活用または1台置きに電源を落とした状態での提供)

②施設内の十分な換気(空調設備の活用及び騒音等に配慮した出入り口の常時開放)

③店内消毒の徹底

 ・トイレ、手すり、精算機等共用部分の1時間毎を目安とした定期的な消毒

 ・お客様の入替わり時の遊技機周辺設備の消毒(消毒の状態が確認できるもの等の活用)

④景品カウンターにおけるビニールカーテン等の設置及びお客様の列の間隔の確保

⑤店内音楽(BGM、遊技機)を必要最小限にし、大声での会話の必要ない環境の保持

⑥店内を走るなど、息が上がるような接客の自粛

⑦ウイルス拡散防止を考慮し、トイレにおけるハンドドライヤーの使用停止

⑧喫煙ブース利用の際の注意事項の掲示(対面・会話の禁止等)

⑨遊技台でのお客様の食事の禁止

<その他>

①広告宣伝は、少なくとも今月末までは自粛を継続

②店頭ポスター等で、体調不良のお客様は入場お断りしている旨を掲示

結び

以上、東京エリアにおけるホールの自粛方針ならびに、どのような感染拡大防止対策を講じ、現在に至るまでどのような休業要請期間を過ごして来たのかについて、組合組織としての都遊協の動向を中心に据えて時系列で紹介して来た。

業界人の中でも、行政や方面遊協からの休業要請に応じない店舗に対する「罰則論」が話題にされる場面も出て来ていたり、首長の力量不足や覚悟の在る無し、局面での判断ミス等が検証される状況になっている地方自治体もある事と思う。

この新型コロナ禍に際しての東京エリアにおける都政やホール営業について、様々な物事の是非や判断を考証する際に、本稿がお役に立てば幸いである。

楽太郎

Posted by 楽太郎