ぱちんこ業界における「オンライン化」に関するあれこれ

寄稿文

はじめに

みなさんこんにちは、d時短と申します。

当コラムを執筆している今の日時は5月5日の21時頃。

各都道府県から、営業再開や休業要請に関して様々な文書が飛び交っています。

まさに激動!

世の中自体が激動ですから、うちの業界に限ったことでは無いと思いますが、間違いなく荒波に揉まれていると言えるでしょう。

無事乗り越えられるよう動いていきたいですね。

オンライン化にまつわる、様々なトピック

さて、ネットで色々と話題を検索しておりますと、いわゆる無観客開催でネット投票のみで運営している競馬、とりわけ地方競馬の売上が絶好調のようです。

本日実施された、船橋競馬場でのJPNⅠレース「かしわ記念」は過去最大の売上を記録し、1日の売上も過去最大になったようです。

元々、地方競馬はネット投票に端を発し赤字体質からV字回復を遂げたというのは既報の通りですが、今回のコロナ禍の状況で更に勢いが増しているように考えられます。

ここで出てくる話が、いわゆるパチンコスロットのオンライン化です。

今回は、それにまつわる話を綴っていきます。

入場抽選のWeb化

昨年から、首都圏を主として、入場抽選のWeb化が進んでいます。

スマホを使用し、QRコードや顔認証によるデジタルな入場抽選の店舗が増えてきました。

いわゆる三密を避ける対応が営業再開の店舗に求められるであろう中で、入場時も、間を空けて整列をする必要があるとなると、既存のやり方ではなく、Webなどに頼ったほうが良いという考えになるかと思います。



サミーネットワークスの「777CON-PASS」も問い合わせが多いようで「ぱちガブッ!」のサービスと連携できるようですが、このポータルサイトのぱちガブッ!の方向性も今までの本来の業務のオンライン化を目指しているようです。

ぱちガブッ!のサービスに中古機の価格をリンクして、現状店舗にある台を全て資産として計算し、今の店舗の機械全体の価値が分かるというものです。

他にも、機種の検索状況などマーケティング系の機能が多く備わっているように思うのですが、最終的には

「機種販売のオンライン化」

これを前提にサービスを展開していくようです。



既に親会社であるサミーは機種販売に関してEC化を始めていますが、これに加え、中古機売買の取引や新台販売のWeb化によって、より一層の省力化を目指しているのだろうなと感じます。

営業マンにとっては耳が痛い話になるかもしれませんが、ある意味業界の次の流れが加速化すると言えるのかもしれません。

オンラインパチンコ

5号営業(ゲームセンター)も休業要請の対象になっている地域が多いようですが、こちらも特にプライズゲームの分野に関してはオンラインクレーンゲームが好調のようです。

遠隔でゲーム筐体を操作するゲーム性で、とある会社においては黒字化したとの一報も聞こえてきます。

コロナ禍の前から、パチンコのオンライン化は様々な方策が模索されていました。

いわゆる「グレーゾーン解消制度」を使用し、新しいビジネスとして切り込もうとする法人もあったように思います。



大きく分けて、オンラインパチンコは2つの系統に分かれます。

①実機そのものを遠隔で操作するもの(前述のオンラインクレーンゲームに近い)

②実機を液晶上で再現するもの(「777タウン」など)



①のメリット

・実機をそのまま転用できる

・パチンコホール向けと同じものでOK

・特にパチンコは玉の動きなどに臨場感がある

①のデメリット

・ある程度の場所が必要



②のメリット

・データだけで済むので場所が不要で管理が楽

②のデメリット

・既存機でも、新規開発にお金と時間がかかる

・メーカーは解析結果などを外に出したがらない



オンラインパチンコというと、賞品交換・換金の部分で法的な可否が議論の最初に来るのですが、本稿ではその議論は置いておき、日本におけるその実現性について綴りたいと思います。

メーカー目線では

まず、メーカー目線で見たときに単年度で赤字が多く、メーカーもそちらのビジネスが儲かるのであればやりたいという本音もあるかと思います。

しかし、前述の①のような形のために販売をし、もし、そちらのビジネスが儲かってしまったらホールは機械を買わなくなるでしょう。

その昔、5号営業店舗にもホールへの納品と同時に新機種が入っていって、それに対してクレームをつけたホール法人がありました。

機械がある程度売れている状況では、なかなか舵が切りにくいというのが本音だと思います。



前述の②のケースのようにオンライン向けに実機を移植するというのは、実際に777タウンなどから実機使用料を得てビジネスとしている所もあるようですが(メーカー自体が開発はしないのがほとんど)、その額は大きなものではなく、やはり実機販売時の利益率が高いと判断してしまうのではないかと思います。

ビジネスモデルとして、誰も真剣に考えていないからというところもあるでしょうが。



ちなみに、既存機について、特に版権が絡むものは法的処理も面倒かと思います。

日本国内の遊技(4号営業のみ)にだけ承諾という形だと記憶しており、5号営業は認可しているものの、例えば輸出しての使用などには制限があったかと思います(ゴメンナサイ…不正確かもしれないです)。

ホール目線では

次に、ホール目線で見た時、日本国内の法的な部分がクリアできない以上、例えば遊休地となっているパチンコ店に前述の①のケースのように遠隔操作で遊べるパチンコ台を設置するというのは、あまり現実的ではないでしょう。

一部、海外IRに投資しているホール法人や海外現地にぱちんこ営業の実店舗を構えるホール法人もありますが、それはあくまで現地向けのビジネスとして捉えているところが殆どで、オンライン化を検討しているところは少ないように思います。



そもそも・・・オンラインパチンコが流行ってしまったら実店舗の売上は激下がりするのは目に見えているから、やらないというのが本音でしょう。

そこで、前述の②のパターンに進出するところも出てくるかもしれませんが。



というわけで、この業界における2大勢力「メーカー」「ホール」どちらの視点からしても、オンラインパチンコは現実的ではないというのが実情に思います。

「ゲーミング」としての可能性

しかし、いわゆる「ゲーミング」としてオンライン化される可能性はあると考えます。

日本では黒と言えアングラ化しているオンラインカジノですが、グローバルな視線で見ると、中国を中心にコロナ禍の状況でその扱い額は右肩上がりで推移していると聞きます。

※オンラインカジノはヨーロッパの主要国などでは合法です。

例えば、メーカーが日本の市場を捨てて、「バカラ」「ブラックジャック」「スロットマシン」などと肩を並べる形でオンラインの「ゲーミング」として「パチンコ」「パチスロ」を開発し、ある種”輸出”する形で登場する可能性はゼロでは無いと考えます。

また、ホール法人がそういった経営に回る可能性もゼロではないでしょう(日本法人がそれをするのはかなり黒に近いですが、グローバル化の目線では無いわけではない)。



日本発祥のパチンコが「ゲーミング」化されてオンラインで世界中で遊べるようになったけど日本では法的に遊べない・・・そんな皮肉な話が現実になるかもしれませんね。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

寄稿者紹介

d時短氏

<プロフィール>

楽太郎と日頃から情報交換している、キャリアが長い事情通の業界人。

ご本人より「ツイッター・始めたばかりなので色々教えて下さい。自分からフォローするのは恥ずかしいので、フォローしていただければ、こちらからもフォローさせていただきます」との事。

Twitterアカウントのフォローはこちらから@d_zitan